自律型組織を共通のビジョンで統合する事が大事・・・

産業革命前に比べて、地球の温度は約1.1℃上がっているという。温度が1℃上がると、大気中の水蒸気量は7%上がり、洪水リスクは2倍になるらしい。日本国内で“非常に激しい雨”が降る頻度は右肩上がり、加えて、暑さも記録的だ。雨も暑さも例年とは違う。

▼さて、8月15日は終戦の日。77年前の今日、先の大きな戦争は終わった。「戦争を知らない子供たち」のひとりだが、その重さを背負わねばならないと思う。父は戦争の最後を沖縄近くの島で迎えた。米軍の攻撃を連日受け続け、明日の命を諦める日が続いたという。食料も無くなり、口に入るものは何でも口にしたと語っていた。結果、極度の栄養失調で復員、少しの期間だけ家にいられたが、結核を発症して長い闘病生活を病院で過ごすことになった。それでも国を悪く言う事はなかった。配属された場所が内地扱いのために恩給も貰えず、しばらく経った海部俊樹内閣の時に一枚の感謝状と懐中時計が届いただけだった。

▼毎月、全国の小売店舗を見学し、その訪問記を定期冊子として送付して下さる業界の先輩がいる。その冊子は既に215号とあるので、18年間、話題店舗に関する情報を頂いていることになる。店舗づくりの変遷、企業の盛衰が手に取るようにわかるもので、心からの感謝を申し上げたい。この冊子の今月号のエッセーに終戦記念日に関する記載があった。発行人の大先輩からの手紙を紹介したものだが、「360万人の犠牲を出した大東亜戦争敗戦の記念日に、その総括を未だなしえていない日本国とは一体何なのだろうか。真の独立国家の体をなしていないのではないか」との書き出しで、総括すべき事項が7項目記載されていた。

TV番組では、終戦記念日を前に、ロシアのウクライナ侵攻の現状報告がされている。その中で、「もし、我が国が他国から侵攻されたら・・・」「もし、中国が台湾侵攻に踏み切ったら・・・」との議論が既定の事実のように語られ始めている。防衛予算をGDP比2倍程度までの引き上げ発言出てきているし、多くの国民も支持始めている。こんなに短絡的な思考が効果を上げるとは思えない。

▼世界の軍事バランスが大きく変わろうとしている。よく「平和ぼけ」と揶揄されるが、現状の平和がいつまでも続くと考えている日本人に、戦争という言葉が、現実のものにならない保証はどこにもない。しかも、戦争を知らない世代が、戦争を考えること自体に一抹の不安がある。だからこそ、総括すべき事項を明確にし、反省すべき事項は反省し、平和に対する国の在り方を構築するべきだ。そして、この国の在り方を実現するために優先順位付けをして国民に提示することが最も必要となるはずだ。

さきの大戦での日本軍の失敗の原因と自己革新組織に変わるための教訓がまとめられた書籍に『失敗の本質』がある。失敗は「多様性がなく、新しいものを受け入れない」、「ものの見方が固定化していて、学習的棄却ができない」、「組織的なビジョンがない」が原因とある。

自律型組織を共通のビジョンで統合する事が大事なのは、われわれの経営組織にも言える。