米国のスーパーマーケット各社で拡大しつつあるのがスマートカートになる。スマートカートとは端末とスキャナーやセンサー等を搭載したショッピングカートで、買い物の利便性を高め、レジに並ぶことなく買い物を終わらせることができるものだ。代表的なのはアマゾンが開発した「Amazon Dash Cart」だ。
▼Amazon Dash Cartには、「The cart uses a combination of computer vision algorithms and sensor fusion to identify items you put in the cart」と表記されているという。使い方はアマゾンのアプリにQRコードを表示させ、使用するダッシュカートのスキャナーで読み込ませることで、利用者のアカウントとダッシュカートとが紐付きされて買物ができるようになる。あとは商品をカートに入れることで商品バーコードを読み取って商品を認識する仕組みだ。野菜や果物の量り売りではカート自体がはかりになっており、端末に商品番号となる4桁のPLUコードを入力して、商品をカートに入れると自動的に計算する。買物が終了すれば専用通路「Amazon Dash Cart Lane」を通るとカートのスクリーンが緑色に変わり「You’re all set」とともに合計金額が表示される。同時にメールでeレシートも届くようになっているものだ。
▼このアマゾンのダッシュカートに競合するものに、「Caper AI(ケイパー)」、「Veeve(ヴィーヴ)」などがあり、ケイパーはクローガーと提携し「KroGo」でテストし、ヴィーヴはアルバートソンズのアイダホ州イーグル地区とカリフォルニア州プレザントンにあるスーパーマーケットで「ヴィーヴ・スマートカート」のテストをおこなっている。
ただ、これらのスマートカートは、ショッピングカートに端末やスキャナー等が一体化しているということだ。スマートカートのコストを抑えることが出来にくい課題がある。
▼これとは別の視点でスマートカートが開発された。「Shopic(ショピック)」というイスラエルのスタートアップが開発したもので、通常のショッピングカートに利用者がAI端末とスキャナーを取り付ける仕様になる。ショッピングカートのハンドル中央にあるアタッチメントに利用者が取り付ける。広く使われているショッピングカートも利用できるため、コストを安く抑えられることになる。PR動画では、カートに投げ込まれた商品も認識しており精度の高さも伺えるようだ。一方、野菜や果物などの量り売り等の認識については明かされていない。
総て「Just Walk Out」に舵を切ったかに見えたアマゾンも、軽量でキャパも増大し耐久性に優れた次世代版のダッシュカートを発表したという。ホールフーズ・マーケットにもスマートカードを導入しようとしているらしい。技術革新の目になるスマートカートの進化は、買い物のあり方を変えてしまうかも知れない。