第43回コンビニ調査(日経MJ)によると、2021年度の国内の全店舗売上高の伸び率は2.1%増となった。初めて前年割れした前回の調査と比較すると回復してはいるが、19年度と比較すると3.9%減少している。客数が戻らないこと(19年比2割減)が主な理由だ。コンビニエンスストア全店舗売上高は11兆3271億円。セブン―イレブン・ジャパン4兆9527億円(1.7%増)、ファミリーマート3兆297億円(2.9%増)、ローソン2兆6174億円(2.9%増)であった。これら3社の売上高合計は10兆5999億円(2.3%増)で、シェアは93.6%(0.2ポイント増)と寡占が進んでいる。
▼こうした状況下、各社が注力するのは「PB商品やオリジナル食品の改善」とあり、今後の開発方針として「新たな機能を付加する」としている。また、出店を強化する地域では、「住宅街」を選択しており、そこでの需要をふまえ日用品や低価格商品の強化を重要なテーマとしている。必要人員の確保については「まあ充足できた」との回答で、コロナ前に課題だった人手不足感は緩和しているようだが再燃する可能性は大きい。
▼5万店を超える店舗数は19年に減少に転じた。人手不足とフランチャイズチェーン加盟店オーナーの高齢化で24時間営業は難しくなっている。経費の大半を占める人件費の高騰が不可避になるだろう。こうした中にあって、ファミリーマートは、7月に商業施設のルミネエスト新宿の従業員休憩室に小型無人決済店を開設したとのニュースがあった。約15㎡の小型のものだが、顧客はアプリのダウンロードや登録の必要はなく、棚から飲み物などを取って出口近くの決済エリアに立つだけ、スキャンなしで自動的に商品一覧と合計金額が画面に表示されると言うもので、支払い方法を交通系ICカードや各種クレジットカードなどから選んで決済すれば外に出られる。この方式、川越の西郵便局で体験しこのブログでも報告したが、駅構内や郵便局、物流施設などで6店舗稼働している。今後1千店規模に増やすとの広報もあった。
▼技術を提供するのがJR東日本の関連企業の「TOUCH TO GO」だ。21年度の「FSN(FutureStoreNow)協議会」に阿久津智紀社長に出講頂いた。天井のカメラや棚のセンサーから得たデータを独自のアルゴリズムで解析、客と商品の動きを追跡するもので識別精度は約95%と説明されていた。「導入費用の高さが普及の足かせになる」とコスト圧縮を急いでいた。現在、本体導入費は運搬・設置で数十万円、利用料は約7平方メートルの極小タイプで月20万円からという。「無人」ファミリーマートは、人件費半分に出来るという。
コンビニも無人決済やAI発注などの省人化策に加え、商品やサービスの進化で来店動機を作りだし、1店舗あたりの平均日販をどれだけ伸ばすことが出来るか。大きな課題に直面しているようだ。
(2022・08・28)
