「ダメなものはダメ」のケジメを・・・

安倍晋三元総理が急死したことにより、再びクローズアップされたるようになった旧統一教会問題だが、自民党は、所属国会議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の接点に関する調査結果を発表した。選挙でボランティア支援を受けたのは17人、祝電・メッセージなどを送付したことがあるのは97人、会合に議員本人が出席しあいさつしたのは96人にのぼっていた。

▼旧統一教会の霊感商法は30年以上前から大きな問題になっていたはずだ。当時、我々の世代の間では、歌手の桜田淳子や体操の山崎ひろ子などの合同結婚式参加に関してよく話題にしたものである。選挙時に一票でも欲しいという思いは分かるが、旧統一教会については十分に分かっていたはずである。でも、これまでは「知らなかった」と発言し、「どこが悪くて、何がいけないのか」と話す訳でもなく、ただただ「二度と接点を持たない」との発言が続いていた。

▼このような折、インターネット上に、桜田淳子の所属事務所「サンミュージック」会長の故・相澤秀禎氏の“覚悟”に関する記事を見つけた。芸能レポーターの石川敏男氏のものだが、相澤さんは、「統一教会にいるうちは、絶対にプロダクションとして関わらない」と厳命し、桜田淳子を芸能界から去らせた。その後、彼女の再び仕事をしたいとの願いも「芸能界で仕事は無理だ」と芸能界に戻すことを断ったとある。この厳命は引き継がれ、相澤氏が亡くなった後に桜田淳子がコンサートを開いた時も、新曲発売のイベントを行った時も、サンミュージックは一切、関わっていない。

▼ただ、自分が育て、スターにしたタレントを見捨てたわけではなく、会社の役員を彼女の相談事を聞いてあげる担当とし、桜田の身内から200万円の壺を買ってもいるという。心の中では悪徳商法と感じていたのだろうが、彼女のためには何でもしてあげようという思いだったのだろう。政治家でもない相澤社長が、旧統一教会の行動に目を光らせて、被害者を出さないようにしてきた。桜田淳子が芸能活動を続ければ、統一教会の広告塔として被害を拡大させてしまうという危機感からだったのだろう。なのに、政治家は「当選するための行動」として、納得のうえ旧統一教会を利用し続けてきたことになる。

サンミュージックも、桜田を引退させなければ、あるいは復帰させれば、何億円という利益を得ることが出来ただろう。それでも、「ダメなものはダメ」とケジメをつけた相澤氏の思いを、今の政治家たちに見ならってほしいと石川敏男氏は結んでいる。

「売れれば良い、儲かれば良い」ではない時代が到来している小売業界にも言えることになるのではないだろうか。

(2022・09・10)