小売業に関する情報はたくさんあるが、『Diamond Chain Store』誌が毎年9月15日号で掲載する特集「日本の小売業1000社ランキング」が今年も発表された。前年度(2021年度)実績を売上高(営業収益)の多い順に1000社までをランキングしたもので、1位のセブン-イレブン・ジャパン(東京)の4兆9527億円から1000位ダイユー(栃木)の63億5000万円までを並べたものである。今日は、この記事から小売業のランキングを見たい。
▼2021年度の小売業売上高ランキング1000社の総売上高は、77兆2584億円(対前年比0.5%減)で約3817億円減少し、2年連続で総売上高を減少させたこととなった。コロナ禍で一部の業態が受けた特需の反動減や、「収益認識に関する会計基準」の適用による売上高の目減りなどが影響しているようである。業態別に総売上高を見ると、SM、CVS、衣料品専門店、DSの4業態が業績を伸ばした。全業態の総売上高に占める業態別シェアでもこれら4業態が昨年より伸長している。
▼売上高ランキングベスト10は、第1位はセブン-イレブン・ジャパン(東京)、第2位はファミリーマート(東京都)、第3位はローソン(東京都)と、ここ数年変わらず大手コンビニエンスストア3社がトップ3を占めることとなった。ただし、CVSの売上はチェーン全店の売上高であり、その企業のものとは異なる。コロナウイルス感染拡大の影響によるオフィス立地店舗の売上減などにより、すべて減収という厳しい結果となった前年に比べ、21年度の業績は回復している。チェーン全店売上高は大手3社のすべてが増収を達成した。CVS業態の総売上高も10兆8137億円(対前年比0.2%増)であった。第4~9位までも昨年と変わらず、ファーストリテイリング(山口県)、イオンリテール(千葉県)、ヤマダホールディングス(群馬県)、イトーヨーカ堂(東京都)、ウエルシアホールディングス(東京都)、ツルハホールディングス(北海道)と続き、第10位に、ライフコーポレーション(大阪府)が入っている。
▼SM業態の総売上高は18兆4831億円(前年比6.1%増)であり、業態別のシェア23.9%(1.5ポイント増)は、すべての業態の中で最もシェアを伸ばしている。ただし、この統計では、西友(東京都・売上高7373億円)が新たにランキングに追加されたこと、これまでGMSだった企業が編成によりSMに区分変更されたことなどが影響している。これらの特殊要因を除くと、実質的な総売上高は約1000億円の減少である。今回1000社にランクインされたSM企業324社のうち、減収となったのは133社。20年度の特需からの反動減に苦しんだ企業も多くあったようだ。コロナ渦による特需の時期は終わりを迎えつつある。加えて原価高騰など新たな課題への対応も急務になっている。いっそう、商品開発や売場づくり、価格対応などを主とした施策を見直し、自社の競争力向上に再び力を入れていかなければならないであろう。
(2022・09・18)
