平和と平等の本当の意味は・・・

日経新聞のマーケット総合面に「大機小機」というコラム欄がある。9月21日に「日本、隙だらけの平和と平等」と題する興味深いコラムが掲載されていた。「もう一度、平和と平等の本当の意味を考え直すべきである」というものだが、短い文章のなかに日本の置かれている姿が凝縮されていた。毎日のように伝えられる日本の凋落の姿と重なり、なんとかしないと大変なことになりそうだ。

▼執筆者の(癸亥)さんは、書いている。「戦後77年、平和で平等な日本を痛感する。大学に入れば努力せずに卒業できる。上場企業に入れば一生安泰のように思える。その上場企業の株価がさえなくても日銀が買い支える。国の借金が山積みしても金利はほぼゼロである。そして平和憲法は不変である」とあり、特に大学教育については、「本来、大学卒業者に求められるのは考える力である。そのベースになるのが総合的な知識であり、デジタル的な素養である。人口減少時代における大学の使命は、この本来の卒業者を輩出することなのに、現実の安易な卒業では、高校卒より少し大人びただけの者しか社会に送り出せない」と。そして、「政府は企業をして優勝劣敗の世界を直視させなければならない」とも。

▼そして、政府に対しても「国民の金融リテラシーを高めようとしているが、そこに異変の種がある。金融リテラシーの基本の一つは、『借金は身の丈をわきまえて』である。では、政府がかかえる現実の借金の山とは何なのか。政府が毎年借金を積み重ねていては、金融リテラシーとゼロ金利を国民に説けない」と厳しい。だが、その通りである。GDPについても、ドル換算すると、ドイツにも負けているらしい。中国にGDPで超されたときは、絶対人口の多い国に負けるのは仕方がないとの声も大きく、過去の日本の姿を重ねて納得した人も多かったが、ドイツは違う。8280万人と日本の70%程の人口の国なのだ。ドイツが強い国になって来たのだ。すると円安が誘導した数字と言う人もいるだろう。ただ、「経済的に敗北を味わう危機が迫っている。貿易収支の赤字と円安がその警告のはずだ」とある。

▼内なる平和と平等を謳歌する日本は隙だらけと考えなくてはならない。世界経済は、もっと激しい競争があるはずだ。

「ここで思い出すのが農業である。農地改革と手厚い保護を経た現在、耕作放棄地が目立つ。米作はジリ貧である。ブランド作物が希望の星ながら、零細経営に直面する。これと同じ現象が日本社会全体を覆っていないか」とあり、もう一度、平和と平等の本当の意味を考え直すべきである」と結んでいた。

スーパーマーケットも業態の持つミッション(使命)を追求しなくてはならないはずだ。

(2022・09・23)