イオンリテールは、イオンスタイル新浦安MONA内に冷凍食品専門店の新フォーマット「@FROZEN」を8月にオープンさせた。リニューアルに伴いイートインスペースをフローズンフードのスペシャルティストアに転換させたのだ。惣菜やスイーツなど約1500品目を取り揃えている。冷凍食品の専門店といえば、フランスの「ピカール」に興味を持った時期がある。前菜から始まり、スープ、サブデッシュにメインデッシュ、そしてデザートまで全てが冷凍食品で揃い、店舗の入り口から順に陳列されていた。アソートメントで売るモデルとして社内でも話題にした。
▼コロナ禍の巣ごもり消費によって冷食市場は驚くべき急成長を見せた。多くのスーパーマーケットで、既存店でも3割増位はしている。松屋銀座でも8月、地下2階の生鮮食品売り場の一角に冷凍食品売り場を開いている。冷凍食品とは、「前処理している」こと。そして「食品にマイナス30℃以下の低温の冷気を強く吹きつけ、おおむね30分以内のできるだけ短時間に最大氷結晶生成温度帯を通過して凍結させ、マイナス18℃以下まで冷却し保管する」こと。「適切に包装している」こととある。
▼コーネル大学RMPジャパンに毎年ご出講いただいている石原武政(大阪市立大学 名誉教授)先生のご紹介で何度か情報を交換した日本経済新聞の片山 志乃記者の『悩む外食、冷凍食品に活路 在宅勤務の定着見込む』との記事が掲載されていた。
ロイヤルホールディングスは来年以降、冷凍食品の生産能力を2倍にする計画を立てている。2019年に家庭向け冷凍食品「ロイヤルデリ」を発売し、現在、約280店で販売しているのだが、イオンのPB商品なども手掛けており、生産能力の拡充で販路も増やしていく考えだ。ハイデイ日高は、自動販売機の設置を始めた。来年2月までに10台設置する予定という。ロッテリアも実験で始めた冷凍ハンバーガーキットの販売を10店舗程度に増やす計画だ。
▼各社が冷凍食品の販売を拡充しているのは、新型コロナ下で店舗での売り上げ回復に苦戦しているため。株式会社トレタが、全国約4200店の来店客数を集計したところ、9月先々週(12~18日)の来店客数はコロナ渦前の19年比で24.9%減だったという。
冷凍食品は家庭内でストックも可能で利用客にとっても利便性が高い。日本冷凍食品協会によると、21年の家庭向けの冷凍食品の生産量は79万8000トン(前年比3.6%増)で僅かばかりではあるが業務用を上回った。初めてのことだ。
コロナ収束後も女性の社会進出や高齢化などが進む中で手軽に調理できる冷凍食品は根強い需要があるとみられる。もっとも注目しておく必要がある商品群に違いない。
(2022・09・27)
