日本の小売業、特に内食を提供する業態であるスーパーマーケット(SM)は、コロナ禍で特需にも似た環境で、この2年間は売上を大きく伸ばして来たが、コロナ禍が終焉し本来のトレンドに戻った時は、外食など食事提供する企業との戦いの中で苦戦するとものと思われる。この2年間の居酒屋などを除く外食企業の既存店売上高推移は、SMのそれと裏表の関係にあったからだ。SMは、外食産業の巻き返しに苦戦すると考えていた。
▼そんな議論になった時、ファミリーレストラン関係の企業に勤めるメンバーから、「外食に未来は本当にあるか。コロナ後こそ本当の危機だ」との発言があった。平成から続いて来た構造問題が解決された訳ではなく、時短営業での「政府協力金」で延命してきた店舗が多く、その店舗が閉店せざるを得なくなるかも知れないというのだ。それが原因となっているのではないだろうが、おとり広告、キャンペーンの未実施、部下への傷害事件、不衛生問題、長時間労働問題など不祥事が頻発している。
▼改めて構造問題を語って貰ったのだが、どの業界も悩ましい状況のようだ。外傷業は、先ずは参入障壁が低く、有力店のジャンルは勿論、外装からレシピまでも模倣が当たり前で、競争過多になる、価値を提供できなければ価格を下げての消耗戦になるという。それに、忙しい時と暇なときの波を避けることが出来ない。料理をつくり提供する側と食事をとる側が揃わなくてはならないので、食材や人的な面でのコントロール技術の取得が大変なのだ。しかも、飲食の時間は同じなので、競合店と同じ時間で戦うしかない。
▼外食市場は、1997年が29兆円でピークであったが、東日本大震災で22兆円まで下落した。しかし、2019年には26兆円まで回復したのだ。それは、インバウンドがひとつの追い風になったとある。3000万人を超える訪日外国人が、約1兆円を外食で消費したのだ。それに、団塊の世代が「アクティブシニア」として外食を含むサービス産業にお金を落としたのだ。その結果、19年の回復を生んだのだが、同時に危機感まで緩めてしまったようである。団塊の世代は25年には全員が75歳以上の後期高齢者だ。活動エネルギーは低下するだろうし、訪日客もコロナ前に戻るには5年や10年は掛るに違いない。
しかし、「強い外食」を目指す企業や人の挑戦も始まっているという。地域に根差し、レストランを目的地にして人の流れをつくる動き、店舗やメニューの個性を活かしたブランド化とソの集合施設づくり、外食店の枠を超える動き、働きがいを追求して従業員を活性化する動きなどなど・・。
SM業界と同じ課題があるようだ。外食産業の活性化策も大いに参考にしたい。
(2022・10・05)
