Walmartは、マイクロ・フルフィルメントセンター(Micro-Fulfillment Center:MFC)開発のスタートアップ企業のAlert Innovationを買収したと伝えられている。スーパーセンターなどにネットスーパー専用の小型ロボット物流施設を併設することで、カーブサイド・ピックアップや宅配サービスに迅速に対応するもので、一般的には1万平方フィート(280坪)程度とある。小売業各社は、ロジステックスへの投資が盛んだ。
▼Walmartは、自動運転車への投資も積極的だ。20年11月、アーカンソー州ベントンビルで、自動運転トラックを開発するGatik社と提携、完全自動運転トラックでの実験運転を開始し、2台の無人トラックが往復7.1マイル(約11km)を12時間にわたり巡回運行を始めた。YouTubeによるデモ動画が配信されているが、技術の高さに驚かされた。
▼日本でも4月には特定の条件下で運転を完全に自動化する「レベル4」を許可する制度を盛り込んだ道路交通法の改正案が成立した。自動運転システムとは、運転の一部支援から完全支援までの運転支援システムの総称で、既に実用化されているシステムには、「自動走行」、「自動ブレーキ(衝突回避)」、「自動駐車」などがある。これらを組み合わせて、運転に必要な全動作・全責任を自身が負う従来の方法をレベル0とした時に、コンピュータに委ねる動作の難易度をレベルで表したものを「自動運転レベル」という。難易度は、「レベル1」から「レベル4」までの4段階に分けられており、いかなる条件下においてもドライバーの手を介することなく、全自動で運転を行うことができ、事故責任の所在もシステム側へ移行される段階を「レベル4」としている。
▼25年に自動運転サービスの実用化を目指し、全国で自動運転の実験が進んでいる。
愛知県は9月に名古屋市での実験を、名古屋駅の南側と繁華街・栄を結ぶ三蔵通で実施した。14人乗り電気自動車「アルマ」での自動運転で1日に5便、週4日ほど走った。福井県永平寺町は21年に緊急時などに人間が対応することを想定した「レベル3」の乗り合い車両を実現した。茨城県境町はアルマを使った自動運転を実用化している。オペレーターが乗務し、手元のコントローラーで補助する「レベル2」の段階だ。今回の名古屋市での実験もレベル2にあたる。JR東日本は、宮城県内を走る気仙沼線の一部区間でバス高速輸送システム(BRT)の自動運転を12月5日から実用化すると発表している。自動運転バスだが、運転手の監視が必要な「レベル2」の自動運転に当たる。静岡県も県西部の掛川市で、自動運転の小型バス「かけがわチャ(茶)レンジ号」を運行するとある。
日本の小売業界での活用には、少し時間が掛かるだろう。ただ、米国小売業は、ラストマイルの効率化には限度があるとみて、ミドルマイルの効率化に挑戦中だ。車の自動運転システムまで活用している。
(2022・10・08)
