値上げの機運は鈍化するも、9月も2067品目・・・

帝国データバンクの調査によれば、主要食品メーカー195社の家庭用飲食料品の値上げは、9月合計で 2067品目となったとある。前年同月に比べ約3割減となった。値上げが本格化した22年以降、初めて2カ月連続で前年同月を下回った。肉製品や油脂製品、魚介缶詰製品などで値上げが見送られたことによる。ただ、値上げ品のジャンルはより範囲が広がっている。

▼9月の値上げは、「調味料」(1257品目)が全食品分野で最多で、みそ・しょうゆ、だし関連製品などが値上げ対象となった。「加工食品」(490品目)は、チルド・冷凍食品や乾麺製品、肉製品などが中心。「菓子」(206品目)は、柿の種やチョコレート菓子、アメ、マルチタイプの氷菓製品など幅広い品目にわたっている。

▼23年通年の値上げ品目数は、累計で3万1036 品目となるようだ。昨年が2万5768品目であったので、累計ではバブル崩壊以降で類を見ない記録的な値上げとなっている。中でも、「加工食品」が、1万1772 品目と1万品目を超えたほか、輸入小麦粉や生乳、粗糖、チョコレートの原料となるカカオ豆などの原材料価格の上昇が影響し、「菓子」の値上げも2197品目と目立っている。

▼店頭では、EDLP商品やPBへ人気が集中するほか、1人当たりの購入個数減少といった消費行動の変化も顕在化している。食品メーカーでも値上げ後に売れ行きが伸び悩むケースがあるほか、値上げの浸透で収益がある程度改善し、原材料価格も一服してきたことから値上げ機運は後退の気配もみられる。年内の値上げは10月以降、前年に比べて大幅に減少する可能性が高い。

2023/09/07