ベルク(埼玉県鶴ケ島市)が、群馬県高崎市江木町の「ベルク江木店」をリニューアルし「CLBE(クルベ)」として7月29日にオープンした。店舗コンセプトの「Challenging the Limits of Belc」(ベルクの限界に挑戦する)の頭文字から取ったバナーということだ。経費を削減して「ディスカウント業態に近い店」にし、鮮魚コーナーや惣菜、ピザ、デリカ・スイーツで安さを強調すると同社の広報にある。
▼小売業界は、コロナ渦が明けて新店の開店、店舗改装ともに加速している。店舗改装は、競合店対策が一番多いだろう。「CLBE」も、ドラッグストアを含めた競合店対策のためのようだ。また、店舗改装は老朽化に対する対応もある。いずれにしても現場的には、政策的、戦略的に行うリノベーションが必要になる。リノベーションは、ビジネスプロセスを根本から考え直し、抜本的にデザインし直すことであり、劇的な成果を獲得することが大事になる。
▼改装というと、どうしてもハード面が話題になるが、重要なのはソフトウェアの改革のはずだ。改装店を見ることは、その企業が、「売り方の技術やマーチャンダイジングの最新トレンド」をどう捉えているのか、「顧客のし好や生活動向、マーケットの変化」にどう対応しようとしているのかが分かるはずだ。そして、改装前の売場づくりと比較、検証が出来るので考え方が理解しやすい。「やりたい事の実験」は、既存店改装で展開するべきと思う。
▼投資回収を早めるためなのだろう、今年は、年度の早い時期から積極的な店舗改装投行われている。その中心は「主力部門の強化」にあり、具体的には、冷凍食品と惣菜の拡充、生鮮部門の専門店化と惣菜化、焼き物(グリル)の充実など加工度によるコーナー化が目を引く。設備面の投資では、「省エネ型冷蔵・冷凍ケースの導入」。「セミセルフレジ、フルセルフレジへの移行」が急速に進んでいる。そして、「地産地消」の取り組みや「地元専門店の導入」、「憩う場や子どもが楽しめる場の提供、拡充」も注目されている。
2023/09/09