五感で感じ取る「何か」を、具体的に提案・・・

ヤオコーは「個店経営」という言葉でマネジメントして来た。特に1998年10月に大改装した狭山店を切掛けにしてこの機運は高まった。2000年からの第3次中期経営計画の中にも「チェーンとしての個店経営の推進」を掲げている。地域のお客さまのことを一番よく知っている各店に、商売の主体性を持たせることを主眼に、全員参加の商売、店長は店主で本部は店をサポートするものという考えだ。この考えの元に、本部機能を持つ場所を「サポートセンター」と呼んでいる。

▼店舗でのお客さまの買物を(楽しい)体験に変えるには、本部のマーチャンダイジング(MD)を担当する部署が、個々店のニーズ把握をして、店舗に提案をし続けなければならない。個々の店舗がマネジメント出来るのは、MDを担当する部署が提案する商品の、販売データなどを分析して仮説立案することになる。この過程が本部の提案の中から、わが店にとっての適品を選択する能力を育成することになる。このマネジメン卜力なしには、売場での提案は不可能なのだ。マネジメントとは、「あることを成し遂げること」であり、「管理」することでは決してないのだ。

▼しかも、顧客は基本的に「受身」である。五感で感じ取ることのできる「何か」を、具体的に目前に提案された時に、初めて求めていたモノがそれだったと知ることができるのだ。絶えず新しい開拓商品や開発商品の提案が不可欠な理由はここにある。結果、知らず知らずに時間を掛けて「買物の楽しみ」を体験するのである。ニューヨーク市のZABA‘sなどに並ぶ人々の顔は喜色にあふれている。

▼個店がマネジメントするからこそ、「わが店の顧客(カスタマー)」を更なる「カスタマー」にするカを育てることができる。このような「能力」は、個店において体験を積み重ねることによってのみ養われる。ただ、個店マネジメントは同時に店舗の「独りよがり」に陥る危険もある。そこで店長とは異なり、複数の商圏を見渡すことのできる、第三者の視点と感覚を持ったスーパーバイザーの「忠告」や「指導」が必須になる。このスーパーバイザーの力、感覚は、本部のマーチャンダイジング担当にとっても必要な能力なのだ。

2023/10/29