「首都圏SM物流研究会」の動き・・・

働き方改革関連法は、「労働者が多様な働き方を選択できる社会」実現を目的として、労働基準法などの関連法を改正したもので、18年に公布、19年から順次施行されている。背景には、「少子高齢化に伴う労働人口減少」や「長時間労働の慢性化」がある。改正された法令は多岐に渡り、改正点の主なものは、・時間外労働の上限規制、・月60時間超の時間外労働に対する割増賃金引上げ、・有給休暇取得の義務化、・労働時間の確実な把握、・フレックスタイム制の拡充、・高度プロフェッショナル制度の導入、・勤務間インターバル制度の普及促進、・産業医機能の強化、・同一労働同一賃金の実現などだ。

▼「物流の2024年問題」は、この働き方改革関連法により24年4月1日から物流業界に生じる様々な問題を指す言葉で、食品スーパー業界でも「首都圏SM物流研究会」を立上げ、持続可能な物流再構築に向けて取組みが始まっている。10月20日、スーパーマーケット統計調査の会見時に、ここまでの取り組みと今後の活動内容について発表があった。

▼この物流研究会、発足時のサミット、マルエツ、ヤオコー、ライフコーポレーションに加え、カスミ、西友、いなげや、東急ストア、原信、ナルス加入し10社となっている。発足時に策定した① 加工食品定番商品の発注時間見直し、② 特売品・新商品の発注・納品リードタイムの確保、③ 納品期限の緩和(2分の1ルールの採用)、④ 流通BMSによる業務効率化の実行に取り組む。これに加え「トップコミットメント」「バース予約システムの導入」「パレット納品の推奨」の取組みを新規参加企業に求める条件としていくとある。

▼今後は業界標準ルールなどを検討する「全体会」と、共同配送などを地域ごとに研究する「エリア部会」の2部制に分けて取り組みを進める方針。今後、荷待ち時間の短縮のほか、「SM3団体合同で業界自主行動計画を作成・提出、各取り組みを推進」「首都圏エリアにおける共同配送の研究」を挙げた。「首都圏SM物流研究会」はエリア部会の名称として残し、全体会の名称は「SM物流研究会」となる。

2023/11/03