リーダーの部下を見る目が業績をつくる・・・

現役時代に3冠王を3度獲得、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏が、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」で、「オレ流質問箱」に寄せられた、「指導、助言をするタイミングについてどのように考えているか知りたいです」との問いに答えていた。それは、「選手が迷っている時でないと、指導や助言は届かない」とのことだ。「今更、こんなこと教わらなくても出来ている」と聞く耳を持たない新人選手が多いとも。

▼多くの選手を指導、結果に導いてきた経験から「指導者は指導・助言より、ずっと観察しておく」ことが大事と結論付け、「助け舟を求められた時に、はじめて指導をしていく」のが良いと話していた。伝え方は、「これをやれ」ではなく「こういう方法論もあるよ」と相手が自分で判断できるような指導がいいはずとの考えを示した。野球選手はプロの職人と同じ、小売業の育成とは違うと思うが参考になりそうだ。

▼訓練を重ねているメンバー育成には届かないだろうが、中間管理職以上の能力開発には上手く活用することが出来る。過去に成功体験の多い管理職は、どうしても自分自身のセオリーを組み立てているので、助言しても右から左へ流していくことが多いと感じる。取巻く環境が激変しているのだから、少しでも素直に聞いて、何かの切っ掛けになれば挑戦への道に繋がるとはずだがと思うことが多い。

▼落合氏は、指導者がやるべきことは、「普段はどういう練習をしているか、いい時、悪い時を把握しておく」。助言を求められた時に「いい時はこうだった」けれど「今はこうなっている」と指摘してあげられることが大切だと説いていた。転職を進める風潮が高まる中にあって、本当に成長して欲しい人に教育投資をして欲しいと願う。投資はリターンを求める行為なので、機会の平等だけ担保出来れば良いはずだ。リーダーの部下を見る目が業績に結び付く。

2023/11/17