Walmartの店舗数減が話題になる一方、昨年「ALDI」は、87店舗を新規に出店したとウォール・ストリート・ジャーナルが伝えている。2位が「Grocery Outlet」の28店舗であるから食品スーパーでは大差をつけての出店数になる。なお3位には「Publix」(25店)、4位には「Sprouts Farmers Market」(16店舗)、5位には「HEB」(12店舗)、6位は「Whole Foods Market」(11店舗)の順位となっている。
▼ALDIは今年5月、今年度中に120店舗をオープンするとも発表。総店舗数を2,400店舗超に引き上げる目標を示している。来年以降も3桁数の出店を予定している。8月には、スーパーマーケット大手の「Southeastern Grocers」から約400店舗を取得するとの発表もあった。当局の承認を経て24年前半期の完了を見込んでいるのだが、取得店舗の一部、「Winn-Dixieと「Harveys Supermarket」の店舗はALDIに改装する計画とある。
▼ALDIは、業績などを公表していないのだが、食品スーパー専門誌によると売上高は182億ドルと見込まれランキングにして24位となっている。昨年9月、既存店・売上高前年同期比が二桁の増加となったとの異例な発表を行ってもいる。実際、物価高を追い風に客数は増加傾向となり、2022年は2019年に比べて客数が9.3%も増加しており、21年と比べても7.3%の増加となっているとある。
▼ALDIの強さは主要食品の価格にある。ハーフガロン(1.9リットル)のミルクは弗2.18(全米平均弗3.96)、1ダース鶏卵が弗1.87(全米平均弗2.07)などと圧倒的に安い。しかも、Trader Joe’sと同じグループだが、こちらは、ネットスーパーにも積極的だ。「Instacart」と提携し宅配サービスだけでなくカーブサイド・ピックアップもおこなっている。更に今年2月には「DoorDash」と契約し38州2100店で宅配サービスを行うことを発表した。高額所得者層にもライフスタイルに応じたネットショッピングを提供しているのだ。
2023/11/21