ビール系飲料PB商品、シェア拡大する・・・

PB商品はご承知の通り、米国のWalmartや英国のTescoが国際的な調達網と店舗網を生かしたPBを開発し、欧米で普及が先行した。日本での本格的展開はイオンが1970年代に発売したのだが、メーカー品に対する消費者の信頼感の高さなどからこれまでの普及は鈍かった。小売・卸売業が企画・開発し、NBメーカーに生産委託する場合が多く、イオンの「トップバリュ」やセブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」が代表例になる。

▼イオンPBの「トップバリュ」は、約5000品目の食品のうち、2500品目を新商品に刷新するという。日用品を含む売上高は、24年2月期に1兆円(前期比11%増)を超すという。この「トップバリュ」は、大きく分けると4つの種類がある。レギュラーブランドの「トップバリュ」、クォリティブランドの「セレクト」、ライフスタイルブランドの「グリーンアイ」、コンペティティブブランドの「ベストプライス」だ。

▼セブン&アイ・ホールディングスは、プライスブランド、あるいはコンペティティブブランドの「セブン・ザ・プライス」を、24年2月末までに160品に倍増させる。ベイシアは「ベイシアプレミアム」を始めた。こちらはクォリティブランドになるが、既存のPBは新製品に順次切り替えて、24年2月までに100品目以上を展開予定だ。西友も生鮮食品の新PB「食の幸」の品目を増やす。こちらもクォリティブランドだ。日本の場合、PB比率は30%くらいになるのだろうか。

▼21日の日本経済新聞で、ビールや発泡酒、第三のビールを合わせた「ビール系飲料」で、10月の総容量ベースのPB比率は約14%となったと載っている。物価高に伴いPBにシフトし、メーカーシェアで4位のサッポロビールに匹敵する水準となったとある。ビール系飲料はこれまで「スーパードライ」などNB品が圧倒的に強く、食品の中でもPBのシェアは低かったのだが、PBでもシェア獲得の力が付いて来たようだ。小売サイドは面白くなって来た。

2023/11/23