11月28日に全米小売業協会(NRF)は、感謝祭日から「Cyber Monday」までの5日間で2億人以上が買い物したと発表した。友人から、「Walmartの店舗まで足を運んだが、今年のブラックフライデーは低調さが際立っていた」とのメールだったが、インフレに金利高、学資ローン返済の再開で消費者にとってマイナス要因が重なっているにも関わらず記録的な顧客数になったのだ。昨年実績を370万人も増加し、過去最高の1億9,670万人となった。
▼「Cyber Monday」とは、米国の祝日である感謝祭の翌月曜日から開催されるオンライン上の大規模セールのことになる。チャネル別に5日間の動向を見ると、リアル店舗が1億2,140万人の買物客。昨年実績1億2,270万人からは130万人の減少となっており、オンラインでの買物は1億3,420万人となり、昨年実績から400万人増加している。ただ、最も買い物客が多くなる「Black Friday」では実店舗の客数が昨年実績330万人増加し7,620万人となったとあった。
▼もうひとつ、カード会社のアメックスが主導している地域経済の活性化支援を目的とした「Small Business Saturday」というのがある。「Black Friday」の翌日に設定されており、地元の個人経営や中小の小売店での買い物が奨励される日なのだが、こちらは5,900万人となり昨年の6,340万人から440万人も客数減少、27日(Cyber Mondayの日)も前年の7,700万人から400万人も減って7,300万人になっている。確実に購買チャネルの変動が起きている。
▼ただ、注目したいのは過去最高の人出になったが、大手チェーンストアなどの「Black Friday」の売上高が減少しており、中には2桁減に陥った店もあったという事だ。5日間の平均支出額も4ドル3セント(1.2%)落ちて321.41ドルとなったとある。2億人を超える買物客も、客単価の減少で大手チェーンも12月の戦いは苦しくなりそうだ。NRFは、年末商戦期の売上高(自動車やガソリン、レストランの売上を除く)を前年同期比3~4%増との見通しを発表しているが、年末商戦の始まりが不発に終わったことで小売チェーン等がさらなる値引きに走るとの指摘も出ている。
2023/12/02
