コンビニ、店舗減より対応が難しい課題・・・

セブン-イレブンの1号店は、豊洲店で1974年5月15日開店だ。ローソンとファミリーマートに先駆けて、日本初の本格的なフランチャイズのコンビニエンスストアとしての開店だ。この店舗は開店以来一度も対前年実績を割ったことがないと伝えられている。約50年に渡り成長発展し続けている。先代が病死したため大学を中退して継承した酒屋「山本茂商店」の店主が、酒屋の将来性に疑問を感じてフランチャイズ(FC)に応募したのだ。

▼自宅近くにファミリーマート(ファミマ)の1号店がある。埼玉県狭山市の入曽という住宅街にあり、現在も営業を続けている。当時の西友ストアー(西友)が1973年に直営実験店として開いた店舗になる。ファミマがFC展開したのは78年になってからになる。このファミマが開業50年を迎えた。コンビニエンスストア業界全体に事業モデルの経年劣化が目立つとの指摘も多いが、食品スーパーにとって強力なライバルの動向は意識しないわけにはいかない。

▼西友はなぜ後発のセブンイレブンに差をつけられたのか。セゾングループ創業者の堤清二氏が、大手資本がコンビニチェーンを展開すれば、零細商店をつぶしかねないと躊躇ったからと言われている。セブンイレブンは、商店と「共存共栄」できるとして急ピッチで出店したのと異なる。ただ、FC加盟店の疲弊が社会問題になっている。加盟店に24時間営業を強制することは独占禁止法違反になりうるとの見解を公正取引委員会が示した。

▼出店余地が狭まり、コンビニ業界の成長戦略にも停滞感が無いわけではない。ただ、「商業動態統計」によると、22年の売上は前年比3.7%増の12兆1,996億円、店舗数は同0.2%減の5万6,232万店舗であった。問題は、表面的な店舗減より対応が難しい課題を抱えている。加盟店との契約更新の難度が高いのだ。FCの担い手をどう確保していくかは、稼げるチェーンづくりそのものになるだろう。コンビニ業界の動きは、米国と違い食品スーパーへの影響が大きい。

2023/12/08