年末挨拶の中で出た「小売業ビッグ2」の話・・・ ③

イオンの基本理念は、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する。」になる。「イオンは、小売業が平和産業であり、人間産業であり、地域産業であると信じ、その使命を果たす企業集団として永続するために、お客さまを原点に絶えず革新し続けてゆきます。」という言葉が続く。30年のありたい姿も、「イオンの成長が地域の豊かさに結び付く、循環型かつ持続可能な経営」で、現在の中期経営計画で示された「5つの変革」の中にも「イオン生活圏の創造」という言葉がある。

▼膨大な個人株主数が意味するのは、地域の商店街を衰退させるなどの批判、イオンモールと週末を中心にそこに自家用車で集う家族、画一化の問題など議論すべき課題はあるとしても、地域の豊かさの中心にイオンモールが存在する光景は日本全国に存在していることにあるのだろう。それが中国やベトナム、インドネシア、マレーシア、カンボジアなどでも展開されつつある。祖業のGMS事業が中心にあり、そこにデベロッパー事業や金融事業が廻っているという意味で、GMS事業を中心にした企業なのだと言える。

▼セブン&アイHD、30年に目指すグループ像が「セブン-イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革命を主導する、「食」を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」になるものだ。これまでに示していたグループ像に、「食」を中心としたという「言葉」を足したのだが、これはイトーヨーカ堂を守ると主張したのだろう。アパレル事業からの撤退に対し、食であればシナジーは明確だから。

▼セブン&アイHDの「社是」は、「私たちは、お客様に信頼される、誠実な企業でありたい。私たちは、取引先、株主、地域社会に信頼される、誠実な企業でありたい。私たちは、社員に信頼される、誠実な企業でありたい。」になる。基本姿勢は「常にお客様の立場に立って、新たな体験価値を提供することで、国内外の地域社会に貢献したい」になる。この精神は脈々と受け継がれているのだが、30年のありたい姿やその前に掲げられた文言には、世界に冠するリテールグループであろうとする意志は見えても、地域社会の姿は見えてはこない。「セブン-イレブンのある生活」が示す生活圏は、徒歩圏のイメージになるだろう。それは街づくりであり、地域創生という言葉が似つかわしいはずだ。

証券会社の営業担当も、社内情報や著名なアナリストの請け売りになるのだろうが興味深い話になって来たのだ。(つづく)

2023/12/25