ある証券会社の営業担当からも年末の挨拶があったが、その時に「イオン」と「セブン&アイホールディングス(HD)」に関する情報ですとの事だった。当方が流通小売りに席を置いていたことは知っているはずなのだが、興味深く聞かせて貰った。最後に専門家として株価の実際について語ってくれた。イオンの異常とも言える高PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)、PBR (Price Book-value Ratio:株価純資産倍率)の話になった。
▼イオンの最近のPERは約100倍、PBRは2.5倍、一方のセブン&アイHDのPERは約21倍、PBRは1.3倍となる。イオンが23年2月時点で2.2%というROE(Return On Equity:自己資本利益率・株主資本利益率)でも東証基準を簡単に上回るPBRになるのは、この異常なPERに支えられている。歴史的に見ても、イオンのPERは常に高い。この高さと個人株主数には、高い株価形成に何かの関係があるのかもしれないと言う。
▼両社の投資家向け資料を見ると、セブン&アイHDは現代投資理論について深く理解しての資料作成をしているという。だからこそ、日本特殊的な株主優待制度にも懐疑的だったのではないかと思う。ROEにしても利益率にしても、セブン&アイHDは多くの指標でイオンを凌駕している。新NISAも睨んでか24年2月末を基準日とする株式分割を発表している。このことを伝えるための年末の挨拶だったのかもしれないが、あまり興味はなかった。
▼企業が何らかの社会課題を解決するための器として存在し、小売業の事業がその店舗を中心とした生活圏を提供する社会インフラなのだと考えると、株主(投資家)としてその事業を支え、インセンティブとしての優待制度があるというのも合理的とも思える。食品スーパーとしての経営の在り方を教えたかったのであろうか。小売企業も、地域生活者を囲い込みことによる売上以上の利益を検証することも大事に思える。その意味で、イオンのPER、PBRが高いのも納得できる。
2023/12/26
