2024年、食品スーパーを取巻く環境は・・・②

今年、景気面で最も注視しなくてはならないのが世界的な高金利がどのような影響を及ぼすのか、ということになる。欧米だけでなく、新興国の多くも物価高を背景に金利を大幅に引き上げて来ている。昨年の景気への影響は軽微なものだったが、景気を押し下げる力は広がっているはずだ。米国では住宅ローンの申請が大幅に減少しているという。先行きの住宅販売の減少を示しているので、米国の住宅市場は厳しさを増しそうである。

▼米国では、個人所得に対するローンの利払い費の割合が、リーマン・ショック時やITバブル崩壊時に匹敵する水準にまで上昇している。新たな債務をすることへの警戒感が高まるであろうし、融資をする側も金利上昇の影響を受けて厳格に運用され始めている。これにより、企業のみならず個人でも資金繰りが厳しくなる例が増えそうだ。高金利政策が長期化すれば、個人消費は落ち込むであろうし、景気へのダメージも大きくなる。ユーロ圏でも、ドイツの景気が振るわず、消費も減少傾向をたどり始めている。

▼中国では、若年労働者を中心に雇用環境の改善が遅れていることなどで、消費の回復は芳しくない。中国経済の柱となる輸出についても減少傾向をたどっている。ハイテク製品の中国への禁輸措置、中国との貿易取引に慎重な姿勢が強まっているからだ。民間企業の設備投資などは統計開始来初めて前年水準を下回るなど低迷し、不動産融資問題と合わせ、景気にはマイナスの材料が目立っている。中国政府の景気対策が急務だが、対応策は不透明なままだ。

▼今年の世界経済のカギは、各国の中央銀行が、いつ高金利政策から転換するのか、ということになる。2000年以降、欧米では積極的に金利を引き下げることで、景気の悪化を防いできた。ただ、現状での物価の上昇率は、中央銀行の目標水準(概ね2%程度の国が多い)を大幅に上回っており、容易に金利を引き下げるという判断はできない可能性がある。高インフレと人手不足という状況を考えると、利下げへの転換は遅れるか緩やかなものになりそうだ。世界経済が予想以上に減速、不況入りするリスクには注意が必要になりそうだ。

2024/01/09