昨日、記したように日本経済は海外経済減速の影響による輸出の悪化が危惧される。輸出や設備投資の減速を、個人消費を中心とした国内需要でカバーできるかどうかが日本経済の度合いを測るカギとなる。個人消費を取り巻く環境は、海外の金利は低下すると予想されることから、内外金利差の縮小により為替相場は円高方向へと転じ、国内物価の押し下げ要因となりそうな予測が多い。
▼物価高の鈍化は、消費にとってはプラス要因となる。企業にとってもコスト減少につながるだろう。賃金については、今春闘での賃上げが期待されており、実質賃金が上昇に転じる公算も大きく、消費をサポートする力となるだろう。過去、日本経済は欧米経済が失速した場合にはその影響を免れなかった。仮に欧米経済が利下げの遅れによって失速に至った場合、日本の景気も後退局面入りするリスクは大きい。ただ、これまで金利上昇がなく、今後の消費へのサポート要素を考えると、景気の悪化は限定的で軽微なものの可能性が高い。
▼整理してみると、賃上げが継続される一方で、物価上昇率が鈍化すれば、実質賃金は上昇に転じる。これは消費を押し上げる力を持つ。一方、海外経済の減速を受けて製造業を中心に仕事量の低下や賞与支給額への懸念など生じれば、消費意欲は減退しそうだ。また、世界的な景気減速に伴って国内外の株価下落があれば、消費抑制への圧力が増しそうだ。このように、消費者サイドではプラス要素とマイナス要素が拮抗していると考えられる。
▼今年の流通業界を取り巻く環境は、需要という点では昨年と似たような環境になると考えられる。一方、原材料価格などの上昇による製造コストの増加が、製品に価格転嫁されるまでのタイムラグは、内閣府分析によると平均で4四半期程度とされる。輸入原材料の価格高騰が最終消費財価格に転嫁されるまで、ほぼ全ての品目で半年以上のタイムラグが存在している。23年中に生じた原材料価格の上昇分は、夏頃まで価格転嫁が続くことになる。
2024/01/10
