主要百貨店の今期上期の業績は、「J.フロント」売上高1916億円(13.3%増)・営業利益201億円(48.2%増)、「高島屋」売上高2217億円(5.8%増)・営業利益208億円(62.4%増)、「三越伊勢丹HD」売上高2485億円(11.5%増)・営業利益201億円(125.7%増)、「H2Oリテイリング」売上高3185億円(4.6%増)・営業利益98億円(788.4%増)と好調だった。「丸井グループ」を除く全社が増益もしくは黒字化を果たした。
▼ただし、コロナ禍の影響を受け経営体力を回復する余裕がなく店舗閉鎖を余儀なくされた店舗も多い。渋谷の東急本店が閉店し、27年に建替施設が開業すると言うが、現状の百貨店での営業の可能性はない。立川高島屋の百貨店部分、タカシマヤフードメゾン新横浜店、津田沼パルコが閉店している。地方百貨店では藤丸(帯広市)、岡島百貨店(甲府市)、鶴屋百貨店の水俣店(水俣市)が閉店となった。
▼日本経済新聞に載ったものだけでも24年の閉鎖は、1月に名鉄百貨店の一宮店(一宮市)、島根県の一畑百貨店(松江市)、福屋の尾道福屋(尾道市)、大手でも2月の新所沢パルコがあり、高島屋も7月に10年ぶりの地方店閉鎖となる岐阜店(岐阜市)を閉店する。山形、徳島に続き、島根、岐阜も百貨店ゼロ県となる見込みだ。
▼このように活況を続ける面と課題が山積する。足元で好調な企業であっても、好調の二大要因が継続するかだ。百貨店の回復を支えたのがインバウンド復活になるが、訪日客の増加や購入額の拡大には「円安」による影響が大きい。円安が一巡した場合、回復スピードに影響を与えそうだ。また富裕層の百貨店回帰も、コロナ禍でのアウトバウンドを抑え、その分を国内消費に回した側面がある。コロナ下以降の施策と成果が問われる1年とも言えそうだ。
2024/01/13
