立川高島屋S.C.は、昨年1月に百貨店を閉店して完全なSCになった。京都店も専門店ゾ2024/01/14ーンを増築開業し、任天堂やまんだらけを入店させて百貨店として斬新な印象を与えた。この高島屋も高額品や外商は好調とある。村田善郎社長は「百貨店本来の力を取り戻しつつある」との一方で、「百貨店で大きな成長は考えていない。百貨店と専門店が融合する施設で国内、海外での集客を図りたい」と海外出店にも積極的な姿勢を見せている。
▼日本の高度成長期から百貨店を支えた中間層を切り捨てることのようにも見える。ただこの中間層を取り込むために、都心部のターミナル駅に旗艦店や巨艦店を設置し、通勤客や休日のファミリー層を取り込んできたはずだ。富裕層には外商員が自宅訪問で対応し、インバウンド客も観光バスで乗り付ける来店スタイルが復活するなら立地はどこでもよいはずだ。日本橋や銀座などに旗艦店さえあれば良いという事にもなりはしないかと思う。
▼既に好立地であっても中間層から見切られているとも言える。その結果が、電鉄系百貨店のターミナル駅からの撤退に関する動きだ。首都圏有数の繁華街である渋谷、新宿、池袋から電鉄系百貨店が出ていくことになりそうだ。「そごう・西武」の株式売却時に分かったことだが、米国の投資ファンドは池袋駅前という都心部一等地に百貨店が館を構えることに何ら価値を見出していないという事だ。百貨店は企業価値向上へなお変革が必要なのだ。
▼他方、インバウンド客、富裕層の絶対数が少ない地方百貨店ではさらに厳しくなる。中間層を取り戻すために専門店やSC業態と競争するのは簡単ではなさそうだ。またコロナ禍は百貨店ECを伸ばすチャンスだったが、現状でも各社年商300億〜400億円程度と推定される。メーカーにとって大手ECサイトへの出品、出店にメリットを感じているだろうが百貨店サイトの使用は限定的だ。顧客サイドも価格面などで限られてくる。売り上げ重視から利益重視に転換し、経営資源を他に振り向ける大手百貨店の動きもある。百貨店各社は、コロナ禍以降の個別の施策と成果が問われる年になると思える。
2024/01/14
