競合業態の動向は・・・(GMS②)

昨年3月、イトーヨーカ堂の抜本改革をセブン&アイホールディングスが発表した。その内容は、25年度までに直営のアパレル事業から完全撤退、店舗も33店閉鎖し93店に縮小して、今後は首都圏の食品事業に集中、25年度に黒字転換するというものであった。ただ、これまで事業構造改革を打ち出し、店舗の大量閉鎖、衣料品売場の縮小などを進めて来ているのだが、収益悪化に歯止めがかからず、この3期は連続の最終赤字。今上期もGMSを展開する上場7社の中で唯一、減収・営業赤字となり、通期でも赤字の見込みだ。

▼昨年9月に「ヨーク」と合併、今年3月からは、本部機能集約によるコスト削減を狙い、棚割りも商談も一本化されるという。店舗を規模別に「大型」「中型」「小型」「超小型」に分類。さらに「広域商圏型」と「狭商圏型」に分類し、「大型・広域商圏型」「大型・狭商圏型」など7通りの品揃えフォーマットを作成している。ネットスーパーも8月より36店舗分を順次、店舗出荷型から倉庫集約型に移行させたが、思ったほど伸びていないようだ。なお、合併した「ヨーク」も22年度は2期連続の最終赤字であった。

▼イトーヨーカ堂の再生切札は、生鮮や惣菜の加工・製造を行うグループの共通インフラになる。精肉・鮮魚の加工を行う流山キッチン。惣菜工場と生鮮のPCを併設した千葉キッチンの稼働だ。このインフラを活用して品質を高め、差別化商品の開発を加速する一方で、店舗の作業負担を軽減して生産性を高めていく計画だ。このインフラは「ヨークベニマル」の協力を得て構築したものだ。この他にも「セブンイレブン」のノウハウも導入され、グループ挙げての支援が始まった。

▼食品とH&BCをシームレスにつなぐ「フード&ドラッグ」の導入を推進していく。今上期で30店に導入したが、未導入店より売り上げが伸びており、25年度中に86店に拡大する計画だ。ヨーカ堂の構造改革は、これまで何度も空手形に終わっている。今回は推進プロセスと約2500件の施策が明確に定められており、外部のエキスパートが実行と工程を管理し、HDの取締役会と戦略委員会がモニタリングする体制が取られている。それだけ追い込まれているということだ。この2年がセブン&アイの祖業企業でいるためのラストチャンスということになる。

2024/01/17