競合業態の動向は・・・(コンビニ ④)

コンビニ業界にとって、これからの課題は生活防衛意識の高まりによる「節約志向」と「人手不足」になりそうだ。NB商品より高い付加価値品を持つPB商品が伸びる反面、価格を訴求した開発商品も売上を伸ばしていることから、顧客の節約志向へ対応が急務のようだ。ファミマは値頃を重視して開発するPB「ファミマル」の強化を図るのであろう。ローソンは、中食などの価格帯比率を変え始めている。セブンも、「安心価格」のPOPを付けて訴求しているPB「セブンプレミアム」を強化する方向のようだ。

▼もう一方の人手不足については、これまでのデジタル活用による省力化を図ることになるのだろう。ファミマは、5000店に導入している店長業務支援システム「レイチェル」を全店に拡大し、既に加工食品、日用品で稼働している自動発注システムを他の部門へ広げることを検討している。

▼また、「2024年問題」で加速するドライバー不足に対応するため、セブンは、加工食品の配送を翌日納品に変え、発注精度低下を防ぐAI発注を導入、中食の1日4便体制を3便にしていく。ローソンも、中食の1日3便を2便に変更しており、値下げの推奨もするAI次世代発注システムを導入した。

▼加盟店の採用支援に加え、セブンでは従業員の定着率を高めるため、教育支援や接客コンテストなどの取り組みを、ローソンも勤続20年の加盟店従業員表彰制度を開始している。少子高齢化の影響は加盟店オーナーも同様で、契約更新率(22年度)は、セブンが96%、ローソンが85%、ファミマが81%との発表もある。契約更新率を高め離脱を防ぐためにも、稼げる個店にしていく競争が熾烈になる事だろう。

少子高齢化、人口減少地域は、予想以上に進んでいるように思う。ある商圏の中で、ひとつだけ生き残る店舗があるとすると、それは「食品スーパー」なのか、「コンビニエンスストア」なのか、「ドラッグストア」なのか、それとも他の業態なのか、そんな競争状況も生まれそうだ。その時に残る業態でいたいものだ。

2024/01/24