食品スーパー業界のDI(Diffusion Index)の活用を・・・

毎月20日過ぎに前月の業績が、各小売業界から発表されるが、大事な12月度の業績が発表になっている。食品スーパーの業績も23日(火)に発表された。既存店昨年比で見ると畜産部門と非食品部門の昨年比は苦戦を強いられたようだが、他の部門は変わらずに良い成績が続いている。結果、既存店の総売上前年比は2.5%増、全店3.7%という結果であった。良い年越しが出来たと喜びたい。

▼2024年1月調査(12月実績)のキーワード TOP3は、① 年末・クリスマス商戦好調、② 客単価増、③ 高い気温による影響とある。年末・クリスマスというキワモノ商戦が好調だったのは、利益面での貢献も高かったと思う。この業績発表時には、食品スーパー業界の景気判断DI(Diffusion Index)も発表される。このDIは、読み方はディーアイで、景況感や業況判断の方向感を測るための指標としてつかわれており、内閣府が発表する「景気動向指数」や日銀が四半期毎に発表する「全国企業短期経済観測調査」で馴染みのあるものだ。食品スーパー中核店舗における景気判断 DIなど注視して欲しい。

▼(発表によると)12月の食品スーパー中核店舗における景気判断 DI の現状判断は、前月から-0.3の 50.9となり、6ヵ月連続で好不調の判断の分かれ目である50を上回った。見通し判断は、前月から-0.5の47.3と前月水準から大きな変化は見られなかった。経営動向調査では、売上高DI、収益DI共に前月水準で推移した。生鮮品仕入原価DIと食品仕入原価DIは高水準で推移しており、販売価格DIに動きはみられなかった。来客数DI は前月に比べやや上昇し、客単価DIは前月よりややプラス幅を縮小する結果となった。カテゴリー動向調査では、クリスマス商戦、年末商戦の堅調を背景にプラス域で推移したカテゴリーが多いものの、相場高で伸び悩んだ畜産DI、衛生用品の反動減が続く非食品DIはマイナス域での推移となった。

▼(つづき)景況感調査は、基調に大きな変化はなく、全般的にほぼ前月水準で堅調な推移が続いている。販売価格が上昇する中でも消費者の購買意欲は比較的堅調で、買上点数の減少は抑えられており、景気判断 DI、消費者購買意欲 DI は高水準を維持している。気温が冷え込みを見せた下旬のクリスマス商戦と年末商戦は、曜日巡りによる大型商業施設への流出や旅行、外食の増加を指摘する声も多かったが、帰省客増加の恩恵を受けた地域もあり概ね好調に推移した。節約志向による内食傾向もみられ追い風となっている。一方で、好調を牽引してきた惣菜の伸び鈍化傾向や畜産カテゴリーの不振を懸念する声も聞かれる。単価増の恩恵が一巡する 2024 年は、今後どのように売上や利益を確保していくか、次の一手を着実に実行すべき、正念場の1年と言えよう。

部門別のDIも発表されており、全体動向の把握のための貴重な調査になる。他業界には無い調査でもあるので、活用して自社の状況を客観的に判断するモノサシにして欲しい。

2024/01/27