12月の小売業の業績は・・・

12月の小売業の業績は、中旬の気温が全国的に高く、CVS を除いてマイナス要因であった。季節商品は衣料品、服飾雑貨、日用品、家電など各カテゴリーで苦戦したが、クリスマス~年末商戦はハレの日の消費は良い成績であった。ファッション性の高い衣料品は順調であったが、実用度の高い商品は落ち込んだ。インバウンド需要は11月に以降更に伸ばしている。食料品は値上げが2巡目に入るも、各業態ともに順調であった。

▼百貨店は12月も好調に推移した。コロナや消費増税の影響がない18年比でみても良好である。特にラグジュアリーブランドなど高額品が好調であり、化粧品の改善が継続している。大手4社とも単月で過去最高の売上高を更新した。GMSは暖冬影響で衣料品、住居関連、テナントが苦戦した。ただ、GMS、SMとも食品は良好である。一品単価の上昇は鈍化傾向だが値上げ効果が続いている。継続してPB商品やEDLP型の商品の伸びが良い。クリスマスや年末年始商品など際もの関連のご馳走需要も好調であった。

▼CVSは企業間のバラツキがやや拡大するも概ね堅調に推移している。カウンターFF、おにぎり、パンなどが好調。大手各社の既存店はローソン3.7%増、セブン-イレブンが0.6%増、ファミリーマートが4.7%増、ミニストップが0.9%増であった。DgSの既存店は11月から悪化しているが、前年のハードルが高いことを考慮すると12月も順調といえる。インフルエンザの流行等で処方箋枚数が伸び調剤が順調だが、検査キットなどコロナ関連品は苦戦している。暖冬の影響で季節用品も落ち込んだが、化粧品は良好。食品も値上げ等が寄与して順調に売上を伸ばした。

▼SM業界の状況:数値の羅列になるが、12月の主な企業各社の業績は次の通りである。

◎アークス:既存店4.6%(客数1.6%・客単価2.9%)、全店5.4% ◎アクシアルリテイリング:既存店2.4%(客数2.5%・客単価▲0.1%)、全店4.1% ◎いなげや:既存店2.9%(客数2.0%・客単価0.9%)、全店2.6% ◎オークワ:既存店▲0.3%(客数▲1.2%・客単価0.9%)、全店▲1.2% ◎関西フードマーケット:既存店1.3%、全店▲0.1% ・関西スーパー:既存店2.9%、全店1.9% ◎ダイイチ:既存店4.5%、全店8.8% ◎バローHD:既存店6.0%(客数1.1%・客単価4.9%)、全店7.2% ◎ハローズ:既存店6.8%(客数4.9%・客単価1.8%)、全店11.7% ◎ベルク:既存店8.8%(客数4.9%・客単価3.7%)、全店12.9% ◎マックスバリュ東海:既存店2.0%(客数1.0%・客単価1.0%)、全店3.2% ◎マックスバリュ西日本:既存店0.5%(客数▲1.2%・客単価1.7%)、全店0.3% ◎ヤオコー:既存店7.0%(客数4.8%・客単価2.0%)、全店9.2% ◎ヤマザワ:既存店▲0.3%(客数1.6%・客単価▲1.1%)、全店3.0% ◎ユニバース:既存店5.3%、全店 7.8% ◎U.S.M.H:既存店▲1.8%、全店▲1.2% ・マルエツ:既存店3.5%(客数3.5%・客単価0.1%)、全店4.0% ・カスミ:既存店▲9.0%、全店▲8.2% ・マックスバリュ関東:既存店2.9%、全店2.9% ◎ヨークベニマル:既存店1.3%(客数0.2%・客単価1.1%)、全店3.2% ◎ライフコーポレーション:既存店2.3%(客数 1.6%・客単価0.7%)、全店3.9% ◎リテールパートナーズ:既存店3.3%(客数0.1%・客単価3.2%)、全店7.2%

2024/01/27