日本再評価の年への期待・・・

「一月往ぬる二月逃げる三月去る」という諺がある。1月から3月までは行事が多くて忙しく、早く過ぎてしまうことを月の頭文字に掛けて往ぬる、逃げる、去ると調子よく表現した諺だ。この諺の由来は不明だが、文献としては“往ぬる”は、今年のNHK大河ドラマで話題の平安時代の長編物語「源氏物語」の「明石」、“去る”は奈良時代の歌集「万葉集」の「三九九三」などに文言が記されている。ただ、“逃げる”の文献は未発掘という。

▼一年の中でも特に月日の流れを早く感じる喩えになるが、さまざまな伝統行事も多く、学生の入学試験や卒業式などのイベントの多い季節なのだ。今年は、能登半島地震に始まった1月はあっという間の時間の流れであったように感じる。そして、この月は、小売業界のそれぞれの協会、団体が年頭のあいさつを発信している。私たちも、新年の目標や決意を忘れず、充実した時間を過ごせるようにしたいものだ。

▼1月22日(月)に一般社団法人 日本ボランタリーチェーン協会の賀詞交歓会が東京ドームホテルで開催された。この協会で専務理事として協会活動に携わって来た朋友の中津伸一氏が中締めの挨拶をした。昨年9月まで25年間に渡りボランタリーチェーンの普及と会員拡大に尽力して来たので心から「ご苦労さまでした」と申し上げたい。この協会が発行している機関誌1月号にも、たくさんの方々の祝賀の挨拶が掲載されており、小売業界の決意のようなものを感じる。なかでも、一般社団法人 流通問題研究協会 会長の玉生宏昌氏の挨拶文が目を引いた。

▼「昨年、投資家ウォーレン・バフェットが日本の商社の株を取得したという情報で日本株が上った。これまで、日本は欧米モデルとは異質で、特殊で遅れているとの認識が強かった。世界地図の一番端(極東)にある、野蛮で遅れているとの認識だった。だが、20年の調査で、行きたい国の筆頭に日本が上げられ、欧米から多くの人が来日している。近年、日本をより深く理解する人が増え、リスペクトしてくれるようになってきたように思える。投資家は、唯物的で合理的な判断をするので、日本の商社株取得は注目されている。今後は、日本に対する欧米の目も、感性による理解と共に計算づくの理性による理解も深まると思われる。今年は、世界と日本との新しい関係の幕開けの年になることを期待したい」(要約)というものであった。日本の良さ、日本人の美点に、自信と誇りをもって、世界との新しい関係をつくる幕開けの年になれば良いと願う。

2024/02/02