人手不足感の中で、早期退職者募集・・・

総合スーパー、イトーヨーカ堂が早期退職の募集を始めたとの日経新聞の記事があった。45歳以上の正社員を対象に2月末までに希望者を募るとある。イトーヨーカ堂は苦戦続きで構造改革にも乗り出している。今年の夏までに本社を大森に移転する計画に関しての情報もあった。小売業全体では、人手不足感が強まっているが、希望早期退職の希望者に退職金の割増や転職の「特別転進支援」を実施するとある。

▼昨年9月に旧イトーヨーカ堂とヨークと合併した企業になるが、構造改革を進める上での指標の一つを「労働分配率」にしている。23年2月期39.5%だったものを26年2月期までに32.7%まで引き下げる目標を掲げている。ヨーカ堂の23年3〜11月期の営業損益は70億円の赤字だったこともあるので、本部機能をまとめるなど、一定の人員削減や組織のスリム化を推進せざるを得ないのであろう。

▼50年以上も前の私ごとになるが、最初に就職したのがイトーヨーカ堂であったので、この企業の動向はとても気になる。近年は不採算店の閉店を進め、直近の新店は20年に食品スーパー型を出したのみになる。イトーヨーカ堂が主力とする東京23区内の総合スーパーとしては10年以上前に出店した曳舟店以降の新店はないのだ。セブン&アイHDの井阪隆一社長は「店舗閉鎖を含めて24年度にうみを出し切る」と強調していた。

▼昨年暮れに、入社の1971年に新規開店した東京・板橋の一等地にある「上板橋店」も退店する方針を決めたとの記事を見た。建物と敷地所有者の不動産会社との訴訟が続いていたが、敗訴が続き上告をあきらめたとあった。店舗を首都圏に集約し黒字転換を目指す中での好立地店からの撤退は痛手のはずだ。後継店舗として、不動産会社が新たな賃借希望者を募った際、最も有利な条件を示したイオンリテールが有力との情報もある。

2024/02/07