「物流の2024年問題」がカウントダウンとなった。食品物流は、4月になったら物流が滞るということは起きないだろうが、「すぐに問題は起きない」ということで、時間が経てば仕事を断る運送会社が増え、荷物を運べない事態が生じる可能性は高いとの認識が必要になると思う。トラック運送会社は慢性的なドライバー不足の中、残業規制と改正改善基準告示に対応する必要があり、従来通りの運行方法では仕事を減らさざるを得ないからだ。
▼時間外労働に「年960時間」の上限規制が適用され、違反事業者は罰則が科せられる。加えてドライバーの労働時間や休息時間、運行管理などを細かく定めた「改善基準告示」も拘束時間が短縮されるなど基準が強化され適用も厳格化される。長時間労働を是正するには物流の適正化・効率化を図る必要があり、荷主のコストを伴う取り組みが不可欠で、パレット輸送に変えるにも荷待ち時間を削減システムの導入もあまり積極的に行われていない。
▼トラック運送業者は、荷主に対して圧倒的に弱い立場に置かれているので、そうした要求ができる状況ではなかった。深刻なドライバー不足を招いたのも、このことが要因のようだ。トラック運送業界は1990年の規制緩和を機に新規参入が相次ぎ、近年は6万3000社前後で推移している。結果的に運賃競争が激化、単価の下落を仕事の量で補う長時間労働が定着。労働時間は全産業平均より約2割長く、収入は約1割低い労働環境になっている。
▼小売業界の取り組みは活発になってきた。小売業は、専用センターも卸や物流会社に運営を委託しており、商取引も物流費込みで仕入れ原価が決められている。そのため物流費を把握することは少なく、物流負荷が可視化・価格化されてこなかったために、物流課題を認識しにくい状況が続いていたのは事実だ。足元では、納品のリードタイムや配送頻度変更など、これまでの慣習を変え始めている。荷物を運べない事態だけは絶対に回避したいものだ。
2024/02/10
