ネットスーパー事業の黒字化は各社にとって長年の課題だった。足元では、ピッキングやコンテナ詰めに関するオペレーション、配送効率化などの施策が実を結び始めたようで、店舗出荷型宅配を展開する一部の企業では、店舗段階での黒字化を達成するケースもみられるようになって来ているようだ。西友では、店舗出荷型モデルにおいて、対応店舗の9割の店舗が黒字化できており、事業部全体でも利益が確保されているとの報道もある。
▼宅配事業に関するコスト計上の仕方は企業によって異なるが、事業収支の改善は進んでいるようだ。コロナ禍で急拡大した宅配事業だが、足元の変化はないのだろうか。確かに一部の企業では反動減が見られたが、各社の宅配事業の売上はおおむね順調に伸長しているという。富士経済によると、23年のネットスーパーの市場規模(見込み)は、対前年比12.9%増の3128億円と前年に続いての2ケタの伸びが予想されている。
▼市場拡大の背景にあるのは、小売各社によるネットスーパー強化の動きだ。新規客の取り込み、既存客のリピートアップで成果が上っているようだ。イオングループでは、センター出荷型の「Green Beans」を昨年7月に開設。店舗出荷型宅配とともに人口が集中する首都圏のシェア奪取を目論んでいる。イトーヨーカ堂も「ネットスーパー新横浜センター」を8月に立ち上げ、36店舗を店舗出荷型からセンター出荷型に移行した。新たなセンターも開設予定があり、売上拡大を目指している。
▼平和堂、マミーマート、トライアルカンパニーなど、地域での存在感の高い企業やローカルチェーンが22年から23年にかけてネットスーパーを新規に開始し、一度撤退したサミットも再参入している。各社は対応エリアの拡大、品揃えの拡充などを推進するなどサービスを図り、新規参入による押上効果、加えて値上げによる1品単価の上昇が追い風となり、コロナ禍で急拡大した市場は維持されており、当面は緩やかに拡大を続けていきそうだ。
2024/02/22
