日経平均34年ぶり最高値は・・・

英語の「インベスト(投資する)」は「服(ベスト)を着せる」という意味のラテン語が語源になるらしい。投機的な語感ではなく、時間をかけて増やす行為をさすと経済評論家が雑誌に書いていた。日経新聞も、「日経平均34年ぶり最高値 もはや「バブル後」ではない」との解説記事が掲載された。22日の東京株式市場で、日経平均株価が1989年末につけた3万8915円を約34年ぶりに更新、3万9098円68銭(終値)を付けた。

▼その昔の思い出話であった1989年末のバブル経済の頂点で記録した3万8915円は、二度と届かないと考えていた。「あの時、上手く売り抜けていたなら」とか、「もう一度あのシーンが再来したら」と考え続けていた。「失われた30年」は、「株はその水準まで、決して上がらないもの」と思考回路は固定されていた。しかし、この「天井」が突き抜けた。もっともこの水準まで押し上げてきたのは日本人ではなく、外国人ということだ。

▼底流にあるのは、日本企業が守りから攻めの経営に転じ、海外投資家の評価が高まっているのだろう。日本経済新聞の集計では24年3月期まで3期連続で最高益を見込むとある。一時的でも151円台をつけた歴史的円安も業績を押し上げているはずだ。ただ、企業経営者は、さまざまなコメントを発している。ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長は、「今回もバブルだと思う。日本の景気は悪いのに株価だけが上がっている。割安感のある日本株を海外投資家が求めて、投資先として集中してしまっているだけで、バブルは必ずいつかはじけるだろう」

▼国内消費が低迷しそうな動きがある中、実体経済とマネー経済の乖離が生じている。東証プライム銘柄の時価総額合計は23年末時点で841兆円と、同年の名目GDP(国内総生産、591兆円)の1.42倍で89年末の前回最高値時とほぼ同水準にある。企業が賃上げを通じて人材への投資を増やし、好業績の恩恵を家計にもたらす事でこの差を埋める必要があるのだ。このままでは、株高の恩恵は家計に行き渡らず、賃上げを起点とした好循環実現に課題が残ったままになってしまいそうだ。

2024/03/01