米の食味ランキング、2023年は「西高東低」・・・

商品部に籍を置いていた時代、他社との差別化商品としてコメの味を追求した事がある。果物の甘さを糖度計で計測するように、コメの食味を計測する食味計があった。何十年も前の話だ。「食味値」は、100点満点で表される。「アミロース」「たんぱく質」「水分」「脂肪酸度」の4つの成分を測定、独自の方程式によって表示するもので、食味値70~75点が「普通」、これは70%~75%の人が美味しいと感じるという考え方のものだ。80点台以上はほとんどの人がおいしいと感じるとあった。

▼コメの主成分は水分・でんぷん・たんぱく質・脂質・ミネラルで、これらがある一定の数値でバランス良く配合されているコメが美味しいとされている。日経新聞に「おいしいコメ」を判定する――。猛暑が響き、東北や新潟のコシヒカリの主産地で最高位の「特A」を逃す銘柄が目立った。一方、関西や九州では高温耐性品種の「特A」への昇格が相次いだ。暑さ対応が明暗を分けたとある。

▼日本穀物検定協会が香りや粘りなど6項目を対象に、銘柄・産地ごとに最高の「特A」から順に5段階で評価した結果を2月29日に発表したもので、「特A」は出品数全体の3分の1にあたる43銘柄。うち高温耐性の品種は25銘柄だったという。作況は全国で平年並みだったが、東北・北陸などの主産地が猛暑に見舞われた結果だが、この「特A」を取ると食品スーパーなどの店頭POPの表示に使われることが増え、ブランド米の登竜門なのだ。

▼現場的には、お手ごろな価格帯を好む消費者が増えている感じがある。全体的な物価高によるものだろうか、高価格帯のブランド米の売れ行きは余りよくない。コメ全体の販売数量は2割程度増えているが、「特A」などの高価格帯米は1~3割減ったという。市場全体でも手ごろな価格帯のコメは不足気のようだ。業務用のコメは生産量の3割程度と品薄感が強まる中で、「おいしくて単価の高いコメを作りたい」という生産者と消費者との需給ギャップが拡大している。

2024/03/06