日本の物流管理の〝非常識〟を改める契機に・・・

全日本トラック協会の星野治彦役員待遇企画部長が、「会員企業の一番の心配事は、4月以降もドライバーの収入を維持できるだけの運賃を上げてもらえるか。荷待ち・荷役が減っても収入が減れば、ドライバー不足は間違いなく加速する」と業界誌のインタビューに応えての発言があった。2024年問題直前になり、担い手離職問題が深刻さを増して来ているようだ。本当に物が運べなくなるような事態は避けられるのだろうか。

▼政府は、2月13日に「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(流通業務総合効率化法)および貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案」を閣議決定した。改正流通業務総合効率化法は、荷主・物流事業者を規制する内容で、荷主・物流事業に対して、物流効率化のために取り組むべき措置について努力義務が課される。2024年問題に直面する中、物流の持続的成長を図るのが目的だという。

▼物流の効率化に向け、取り組むべき措置について努力義務を設ける。こうした措置について、国が判断基準を策定。判断基準に基づき、指導・助言、調査・公表を行うという。一定規模以上の事業には、二つ事項を義務付けるものだ。ひとつは、物流の効率化に向けた中期計画の作成や定期報告などを義務づけるもので、計画に基づく実施状況が不十分な場合、勧告・命令を実施する。もう一つが「物流統括管理者」(CLO = チーフ・ロジスティクス・オフィサー)選任を義務付ける。

▼一定規模以上の事業とは、国内貨物輸送量の約50%にあたる物量に関わる荷主約3千社を「特定荷主」として定義するという。上場企業約4千社のうち物流を管掌する役員を置いているのは100社程度と言われるので、ほとんどの特定荷主が初めて任命することになる。海外の大企業では、CEOの補佐役としてCLOを置き、業務プロセス全体にわたる設計・運用・改善活動についての責任と権限が与えられている。物流のコスト構造は、設計段階で80%が決まるというが、日本の物流担当役員は、生産工程や営業活動までの改革を進めることが出来るのだろうか。

2024/03/11