1970年代の高度成長期の首都圏で急発展した街のひとつに津田沼がある。千葉県北西部の交通の要衝で、東京への通勤は約30分と利便性が高くJR総武快速線の始発駅でもあり、通勤混雑時間でも並んで待ちさえすれば着席することが出来た。結果、駅周辺には流通企業の「つわもの」がそろい踏みし、京成電鉄グループ沿線住民を含め、激しい集客競争を繰り広げ「津田沼戦争」と称された。しかし、半世紀を経て、市街の老朽化が著しいようだ。
▼高島屋、ダイエー、丸井、西友などが駅の南北に立地し覇権争いを繰り広げたのだが、多くが「戦争」に敗れたり戦略転換したりして撤退した。のちに経営破綻した企業もあった。特に、この地を象徴してきたのが「津田沼パルコ」になるが、ここも昨年2月末閉店した。閉店を惜しむ買い物客らでお祭り騒ぎになった。JRも閉店キャンペーンに合わせ、閉店日には津田沼駅を「つだぬまパルコ駅」に一日であったが改称するほどであった。
▼新京成・新津田沼駅に直結する2店舗、「イトーヨーカドー津田沼店」と、「イオンモール津田沼」の攻防も激しいものがあった。昨年、現地を訪れ、新京成線新津田沼駅改札口を出た時、イトーヨーカドーの案内表示は電気が消えたままであった。イトーヨーカドーに在籍当時は、店頭に雑草一本が生えていることも許さなかったが、その「イズム」が消滅している現場を見たようで悲しさを覚えた。
▼このイトーヨーカ堂津田沼店を9月で閉店することに関するニュースが流れた。1977年に開業した店舗で、ヨーカ堂の店舗の中で最も売れた時期もあり、「津田沼戦争」の勝者と確信していた。近年は競合店に押されていたようだ。全国屈指の激戦地での戦いも明暗が分かれる結果となった。「9月に閉店する予定だが、後継店舗は決まっていない」とのコメント。街づくりの観点からも、津田沼が今後どのような再発展をとげるのか気になる。
2024/03/13
