米国のApple社が電気自動車(EV)の開発を中止することを決めた。10年ほど前から研究し、自動運転技術の活用を目指していたのだが、早期の実用化は難しいと判断したようだ。自動運転が実現すれば、安全性向上やドライバー不足といった社会問題を解決する有力な手段である。23年にはカリフォルニア州での公道走行試験の距離が72万キロメートル超まで伸びたとある。運転席の監視員が事故防止の為に介入する頻度も下がり、技術力は向上していたらしい。
▼2014年頃から研究を始め、19年にはこの分野で実績があるスタートアップ企業を買収、その2年後には韓国・現代自動車などとの生産委託に関する協議が明らかになっていた。ただ、解決すべき課題も残っている。ひとつは価格で車両価格は1台あたり3000万円に達するとの試算がある。また、万が一の事故への対応もある。事故防止に加え、緊急時の対応方法をあらかじめ決め、ルールを順守することが求められている。
▼自動運転とは別の話になるが、チェーンストアがEV普及の足かせとなっているとの調査結果をコンシューマーレポート誌が「充電の未来:EV移行の小売店の役割」と題する実態調査を発表している。米国のEVだが、23年の年間の販売台数が100万台を超えたようだが、足元では売れ行きが急失速している。2030年までに販売される新車の50%以上をEVとするというのがバイデン政権の看板政策だが、暗雲が立ち込めているのだ。
▼EV普及には充電ステーションの拡大が必須で、政権の意向を満たすには125万台の公共充電器が必要になるのだが未だ10%程度しか設置されていない。大手チェーンストアの非協力的な対応が障壁になっているという。スーパーセンター等の大型店の14店舗に1店舗、食品スーパーでは15店舗に1店舗、百貨店ではなんと40店舗に1店舗の割合でしか充電器が設置されていないという。30年までに充電器のほぼ5分の1がチェーンストアの駐車場に設置される政府の予測モデルだが、遠い道のりとなっている。EV普及にはチェーンストアの動向がカギとなるようだ。
2024/03/16
