「素早く失敗して、先に学べ」・・・

「Walmartは1月末、本社近くの店舗で行っていたRFID(Radio Frequency Identification)を利用した自動レジの実証実験を密かに終了した」と、米国流通コンサルタント後藤文俊氏のブログにあった。RFIDとは電波を用いて商品タグのようなICタグデータを非接触で読み取るシステムで、日本でも「ユニクロ」などがすでに導入している。Walmartは、食品スーパーでの利用でレジ待ち行列の解消、万引き防止に繋げたかったようだ。

▼実験が行われたのは本社の近くのWalmart・Neighborhood Market店。昨年の11月頃からテストが開始されていたという。最近ではRFIDタグのコストも下がっているため、人手不足が慢性的な問題となる食品スーパーでの導入を模索しているのだが、わずか3ヶ月程度でRFIDレジを撤退させた理由は書かれていないが、短期間すぎるテストに思えるので、致命的な問題があったと考えられる。

▼全米小売業協会が主催するNRF2024のコンベンションでは、Amazonの「Just Walk Out」の次世代バージョンが展示されていた。この次世代版は、商品タグのようなICタグのデータを電波でフォローするRFIDと組み合わせたもの。これまでの、「Just Walk Out」店舗にあった入口のゲートは無く、天井に縦横無尽に設置されていたカメラやセンサーも一切無い店舗だという。入店の手間がなく、カメラやセンサーがないので圧迫感がない。

▼RFIDによりカメラ等でお客の動きをトラッキングすることを不要にした。代わりに専用の出口ゲートでクレジットカードを挿入するか、アマゾン・ワンの手のひらで出ていくことになる。買上額の確定もスピーディになりそうだ。Walmartが、何故こんな短期間で実験から撤退したかは不明だが、RFIDの電波フォローが上手く出来なかった可能性も高い。まだまだ食品スーパーでのRFID導入には難しいということか。

イノベーション業界に携わる人のメンタリティを表す言葉に“fail fast and learn faster”があるそうだ。Walmartは、先に学んだことになる。だからこそオムニチャネルリテーラーを標榜できる。

2024/03/18