われわれが加害者であり、被害者の戦争・・・

春分の日と秋分の日を中日として、その前後の3日を合わせた7日間をお彼岸と言い、春彼岸と秋彼岸がある。それぞれ墓参りに行く風習がある。そして、「暑さ寒さも彼岸まで」という慣用句があるが、これには、深い意味が込められているようだ。この言葉、「暑さ寒さも彼岸まで」と言うように、もうじき楽になるからそれまで・・・と言った季節の変化だけでなく、人生の波乱に対する希望を表すものとしても日常でよく使われる。

▼その彼岸だが、今年は気温の上下と強風に関東圏は見舞われている。いつものこの時期以上に体調管理が必要だ。それにしても、極めて異常とも思える気象が続いている。二酸化炭素放出による地球温暖化が一因と言われ、科学者には自明で欧州でも常識だが、日本では切実感は低いようだ。1月に開催され、聴講した特別講演会「持続可能な社会へ現状と課題」で、三重大学の立花義裕教授が、「沸騰する地球」と題して危機感を持つことを訴えていた。

▼教授は、「沸騰する地球」は昨年、流行語大賞にノミネートされたが、特に沸騰化したのが日本だったという。そして「日本が四季の国から『二季』の国に変わった」という。偏西風は北極と熱帯の境目に吹き、北側と南側では気温がまったく違う。大陸から吹いてくる偏西風は日本付近で北に曲がっているのだが、この偏西風が近年激しく蛇行しているので、日本と西欧が狙い撃ちされたように異常に暑くなっているという。

▼急流で流れが速い川は真直ぐで、緩く流れの遅い川は蛇行する。空気も同じで赤道と北極の温度差が大きいほど偏西風は速く吹くのだが、北極の温暖化とあまり温暖化してない赤道とで温度差が縮小し蛇行幅が拡大しているらしい。そういえば、昨年の桜前線も異常で、東京の桜が一番に開花している。気温差が縮小しているのだ。それでも日本では未だに「たまたまでしょう」と言う人が大多数だと警鐘を込めて話していた。われわれ人類が加害者であり被害者の戦争であるとも・・・

2024/03/20