MaaSを知らない流通事業者・・・

コーネル大学RMPジャパン3月講義で、「MaaSを知らない流通事業者」というフレーズがあった。「Mobility as a Service」の略語で、サービスとしてのモビリティ(移動のしやすさ)で、「いろいろな種類の交通サービスを、需要に応じて利用できる一つの移動サービスに統合すること」とヨーロッパのMaaS Allianceにある。日本ではそれに加え、観光や医療等、交通以外のサービスとの連携により、移動の利便性向上や地域の課題解決にもつながる手段としている。

▼電車、バス、タクシー、船舶、航空などあらゆる交通機関の運行データをまとめ、一つのアプリやサイトで全ての交通機関の経路を検索し、その予約や決済が一括でできる。データを連携させてホテルや観光施設、病院の予約や支払いなども済ませられる。自動運転車やカーシェアを使い、ニーズに合わせて手軽に移動することができる。という一連の仕組みを統合したものがMaaSの全体像となり、新技術が可能にする新しい交通サービスの姿なのだ。

▼小売業的には「買物困難者」の問題と言えるのだろうか。買物困難者の問題は、高齢者対応の問題になる。65歳以上の人口は、20年の3603万人から、団塊ジュニアが65歳以上になった後の43年に3953万人でピークを迎える。総人口に占める割合も20年の28.6%から38年には33.9%に上昇、70年には38.7%となる。日本の人口も、20年の(1億2614万人)を100とした場合、35年には 92.5%、50年には83.0%にまで減少する。

▼国土交通省は、住居•交通•公共サービス•商業施設などの生活機能をコンパクトに集約するコンパクトシティ政策を打ち出すものの目覚ましい成果を上げているとは言い難い状況だ。他方、高齢者の自動車免許返納は増加傾向にある中で、自由に動きが取れない高齢世帯が増加している。全国の至る所で過疎化が進み、買物困難者が増加する深刻な状況が続いている。打開策としてのネットスーパーを代表とするEC、移動販売車の進化に期待したい。

2024/03/23