Krogerのネットスーパー戦略が後退・・・

米国の最大手食品スーパーのKrogerが英国Ocadoと提携し、展開しているネットスーパー物流のスポーク拠点の閉鎖を発表した。閉鎖となる物流拠点には、傘下の食品スーパーのないエリアも含まれており、Krogerのネットスーパー戦略面での後退を意味する。今回の閉鎖は、3ヶ所の小型フルフィルメントセンターが対象という。Krogerのネットスーパー物流はハブ&スポーク方式を採用しているのでこのスポークにあたるセンターになる。

▼ご存じの通り、ハブ&スポーク方式とは、車輪やプロペラなどの中心部となるハブと、車輪の中心軸と輪を繋ぐ棒のスポークから命名された物流のネットワークの事だ。ハブでネットスーパーでの注文商品を集約させ、スポークの配送拠点で小分けし宅配する物流システムになる。Krogerではスポーク拠点をZoomと呼び、クロスドッキング方式の小型フルフィルメントセンターとして仕分けされ、小型バンを使って宅配する。閉鎖されるひとつがフロリダ州マイアミ郊外オパロッカにあるフルフィルメントセンターになる。

▼このセンターのハブは、フロリダ州グローブランドにあるカスタマー・フルフィルメント・センター(CFC)で約11200坪、生鮮品から日用品まで3.5万アイテムの在庫を保管・処理する能力を持ち、最新のAIやロボティクスの技術を活用しながら24時間稼働している。50アイテムを最短で3分でピッキングする1,000台以上のロボットが動いており、配送準備を5分程度で完了する。約400台のバンやトラックで注文の当日もしくは翌日には、140km圏内に宅配する。

▼この機能を最大限活用してKroger傘下の食品スーパーの少なく、低認知度地域のフロリダ州にネットスーパーで進出する戦略であったのだが、このスポーク拠点の閉鎖でネットスーパー戦略の変更に追い込まれていることになる。米国流通業に詳しいコンサルタントは、「宅配拠点ともなるスポークはピックアップ可能なダークストアである。結局、ダークストアは上手く行かないということ」とコメントしている。

2024/04/01