「Amazon Fresh」、自動決済システムを撤廃・・・

米国小売業のDX戦略の象徴ともいえるAmazonが展開した「Just Walk Out」だが、「Amazon Fresh」にあるこの自動決済システムを撤廃することが明らかになった。ご存知のように、AI技術ややコンピュータービジョンを駆使し、レジでの精算なしで食品を買うことができる革新的なシステムで、商品を手にとって出て行くだけで、代金は自動的に口座に請求される仕組み。レジ待ち時間がなく、ストレスフリーで買い物ができる。

▼このシステムは、2016年に「Amazon Go」に導入され、20年には「Amazon Go Grocery」にも拡大された。21年にはハイブリッド型「Amazon Fresh」として通常のレジで併用するタイプも開始。22年にはハイブリッド型はWhole Foods Marketにも2店舗だが導入された。現在、「Amazon Go」の全23店、「Amazon Fresh」27店舗、それにWhole Foods Market 2店舗の導に加え販売先の店舗130か所以上で稼働中だ。

▼このシステムを利用している顧客の不満は、① 購入品や購入金額が即座にはわからないというものがある。確かに店舗見学時に体験的に利用したが、直ぐには何をいくら購入したのかがわからなかった。購入履歴が即座には反映されないようだ。② クーポンを使っても、ディスカウントされたかどうかも後にならなければ分からない。③ エラーが多い、④ カメラ・センサーが不気味で室温が寒いなどがある。精密機器管理上、室温を常に下げておかなければならないようなのだ。

▼「Just Walk Out」は外販もされており、一部のスポーツ観戦スタジアムやアリーナ、空港などの売店にも導入されている。「Amazon Fresh」はと言うと、スマートショッピングカートの「Amazon Dash Cart」に切り替えていくという。カメラで顧客の動きを監視する膨大なコスト、そして、利用者にとって早すぎたイノベーションだったのだろう。米国流通業界では、世界最先端となる流通DXを開発しているのだが、その動き、結果を見られる事には、感謝しかない。

2024/04/07