進みすぎた技術革新、誤解が生じた・・・

「Amazon Fresh」から自動決済システム「Just Walk Out」を撤去することのニュースを引き継ぐように米国の大手メディア等が「It actually uses a very analog method, with humans visually monitoring and assisting with payments」(実は人間が目視で監視して決済を補助するという非常にアナログな手法)と報じたとの情報が届いた。大きな誤解が生じているのだが、実際に買物体験した時に何をいくら購入したのかが分かるまで40分程度かかった。その時は、人が介在しているのではとの疑惑を感じた。

▼「Gigazine」が報じた記事にあったらしいが、USA Todayも全米向け一般新聞でさえ、Just Walk OutはAIやコンピュータービジョンを駆使したものではなく、人が中に入っている自販機のように報じたという。「Gigazine」とは、ウィキペディアによると(株)OSA(大阪府茨木市)が運営している、ブログ形式のニュースサイトであり、国外サイトの記事の翻訳や新製品のレビュー、アプリ紹介、アニメ、ジャンクフードなどの記事を掲載している。記事が書けなかったネタを、ヘッドラインと称するリンク集にして紹介しているとある。

▼早速、このサイトを覗いてみた。4月3日付で「一見するとJust Walk Outは完全に自動化されたシステムのように見えますが、実は人間が目視で監視して決済を補助するという非常にアナログな手法が採用されていました。報じられたところによると、膨大な数の精密機器と1000件の買い物に対して平均700件の人間のチェックが必要だったそうで、技術としてはあまり洗練されたものではなかったようです。」とあった。

▼誤解を生じたのは、「Amazon Fresh」が「Just Walk Out」撤廃を報じたメディアの書き方が原因のようだ。「About 700 of every 1,000 Just Walk Out sales had to be reviewed by Amazon’s team in India in 2022」と報道したのだが、この「review」が曲解され、AIでなくアナログ手法にされたようだ。高い精度基準維持のために録画ビデオをレビューし、精度改善に常に役立てているとの意味だったらしい。あまりにも進みすぎたイノベーションであったための誤解が生じてしまったということなのだろうか。

2024/04/10