米国の「99センツ・オンリー」が経営破綻・・・

米国では、長期化するインフレ圧力に嫌気がさして来ている。原油や銅など主要商品の取引価格は、中東の地政学リスクの高まりなどから上昇基調を強めている。3月の平均ガソリン価格も1ガロン3.5ドル超と5カ月ぶりの高水準であった。原材料高などの影響で中小企業の景況感が約11年ぶりの低水準になり、ソフトランディング期待が高まる米景気の死角となる可能性がある。低所得層の買い控え姿勢も強まっているようだ。

▼全米自営業者連盟(NFIB)が発表した3月の中小企業楽観度指数(1986年=100、季節調整済み)は88.5となり、前月から0.9ポイント低下した。およそ11年ぶりの低水準となった。ダウ・ジョーンズによる市場予想を1.4ポイント下回った。こんな状況下で、米西海岸や南部で371店舗を展開する百均チェーンの「99センツ・オンリーストア」が日本の民事再生法にあたる米連邦破産法第11条の適用を申請し経営破綻した。

▼原因は、「ここ数年、パンデミックの影響や消費者の購買行動の変化、万引によるロス率の上昇、頑固なインフレ圧力、その他のマクロ経済的逆風など極めて大きな影響から事業継続が難しくなっていた」とある。先月も、ダラーツリー傘下の「ファミリーダラー」が、1,000店近くの閉鎖を発表しており、米国では百均チェーンの生き残りの難しさが浮き彫りとなっている。新型コロナ下で余剰貯蓄を使い果たしたとみられ、インフレ基調で購買力が落ちている。

▼外食などにも影響が広がり始め、マクドナルドは年収4万5000ドル以下の客層で客単価の低下が続いているという。カリフォルニア州では、ファストフード店で働くスタッフの最低賃金を時給20ドルに引き上げられた。薄利な百均チェーンでは賃金を上げることもできず大量にスタッフが転職する可能性も高い。米国経済が落ち込み始めたわけではないが、堅調な経済を維持しながら徐々にインフレを抑えていくというFRBのシナリオも盤石ではなさそうだ。

2024/04/12