「ALDI」の値下げは、集客効果での意味が・・・

米国の38州に2,360店を展開する「ALDI」は、シーズナル・アイテムを中心に250品目以上を値下げすることを発表した。店舗視察の時に確認することが出来るが、ALDIのプライスシールには、商品の継続販売する期間を表すこのワードがプリントされている。「ステープルアイテム」が3カ月以上売り続けるアイテムのことだが、これでない扱いアイテムを「シーゾナル・アイテム」という。季節商品の「シーゾナブルアイテム」とは異なる。この値下げが数ヶ月にわたって実行されると集客効果の面で、特に「ALDI」では大きな意味があるようだ。

▼サマーシーズンの終わりとなるレイバー・デー(今年は9月2日)までの値下げとなるため、旅行用のおやつになるスナック類も値下げ対象となっている。23年のファン投票で1位を獲得した「オーガニック・アボカド・オイル」も含まれ、5.65ドルが5.49ドルになり、BBQエッセンシャルとして8.49ドルの「サーロインステーキ」が6.99ドルと1.50ドルの値下げとなる。「チキンの胸肉」が2.49ドルから2.19ドルになり、「ステーキソース」も1.99ドルから1.89ドルになる。

▼調査会社のプレイサーai(Placer.ai)、あくまでも客数だけをモニターした結果なのだが、20年第4四半期からほぼ右肩上がりでALDIの客数は増加しているという。22年には、19年に比べて客数が9.3%も増加し、21年比でも7.3%の増加となっていた。既存店売上高が前年同期比で二桁の増加となったと発表した。インフレの影響もあり100万人もお客が増え、多くが中・高所得者層だったとあり、あまり広報しない企業での発表で話題を集めた。

▼新規の客が増えている理由は物価高にある。ALDIは最も平均的な消費者にアクセスしやすい地域に出店し、低価格から低い所得者層への取り込みに成功しているのだが、インフレの影響から富裕層の取り込みにも成功している。富裕層でも特に若い層が利用しやすくなっているようだ。この追い風を利用して更に店舗を増やす計画で、今年3月、28年末までに800店を新規に出店すると発表した。ロープライスを実現するのは、ローコストオペレーションになるのだが、幾つもの仕掛けを今年も確認したい。

2024/05/13