日常の問題が整理され、対応できた企業が例外にも・・・

食品スーパーは、絶好調の決算発表が続いている。新聞紙上に過去最高益、増収増益が報告されている。食品を主力とする他の業態、総合スーパー(GMS)やコンビニエンスストアも好調だ。食品の値上げによる効果である。商品スーパー業界1位の「ライフコーポレーション」は営業収益8097億円(前期比5.8%増)で過去最高。営業利益は241億円(同26.0%増)、経常利益は249億円(同24.6%増)と20年度のコロナ特需に次いで、実質的な意味で過去最高の年度になった。

▼他の業態トップの動向だが、セブン-イレブン・ジャパンはチェーン全店売上高5兆3452億円(前期比3.8%増)、営業利益が2510億円(同7.8%増)と相変わらずの高水準の増収増益だ。ウエルシアホールディングスは売上高1兆2173億円(前期比6.4%増)だが、営業利益432億円(同5.3%減)、経常利益478億円(同8.4%減)の増収減益。DCMホールディングスも営業収益4886億円(前期比2.5%増)、営業利益287億円(同4.6%減)、経常利益274億円(同7.3%減と増収減益であった。

▼コングロマリット2社の動向だが、イオンは営業収益9兆5536億円(前期比4.8%増)、営業利益2508億円(同19.6%増)、経常利益2375億円(同16.6%増)。増収増益の過去最高を更新。セブン&アイ・ホールディングスは営業収益11兆4718億円(前期比2.9%減)、営業利益5342億円(同5.5%増)、経常利益5071億円(同6.6%増)。増収こそ出来なかったが、利益は過去最高である。食品を扱う業態が増収増益の過去最高益を続出させている。

▼良い決算が出ているのだが、「円安」による買物不況の深刻化を論じることばかり多い。確かに「円安」は国民全体の生活に影響を及ぼす。日本は食料の大部分、エネルギーのほとんどを輸入に依存しているからである。これに人手不足というコスト増の要因も加わる。賃上げ効果も限定的になりそうだ。これは、「買い控え」するしか抵抗手段が残されていないのではと考えてしまう。コロナ禍の20年、「例外的な問題」が頻発した。その時、対応ができたのは、日常の問題が整理され、対応を積み重ねた企業である。だからこそ、例外的な問題解決を一丸となって解決できたのだ。新たな問題に対する対応力もそこにあると思う。

2024/05/16