2030年代のマーケティングを考察するとして、書籍、『新消費をつくるα世代』(日経BP)が5月9日に発売された。サブタイトルに「答えありきで考える『メタ認知力』」とある。食品スーパーにとっても、若者世代の価値観・行動特性を知ることは、近い未来に求められるマーケティングのあり方を考察する上で大事になるが、どうも追いつていけそうもない。Z世代に注目が集まる中、未だ対応に苦慮している中にあって、話題は「α世代」になるのかと思う。
▼確かに30年代中ごろには、生産年齢人口の構成を推計してみると、全6400万人のうちの7割にあたる4400万人が、Z世代とその下のα世代になることになる。生産年齢人口が市場経済の規模に近いはずと考えると、この2つの世代の存在感は強い。マーケティングの対象として見過ごせないことになるのだろうが、ミレニアル世代からZ世代の比較をしても、過去の延長に未来は見えない、α世代とはどんなか想像もつかない。
▼α世代とは、2010年~24年に生まれる世代とある。今の時点で14歳(中学2年生)以下の若年層を指し、この書籍では、「α世代の特性と、彼ら彼女らが社会の中心に躍り出る2030年代の消費と社会のあり方を考察します」とあるので、暫し、久しぶりの立ち読みを決め込んだ。書名:『新消費をつくるα世代 答えありきで考える「メタ認知力」』(日経BP)、著者:小々馬 敦(こごま あつし)、1980円(税込み)になる。
▼α世代は、AIネーティブ世代で、デジタルデバイスが当たり前に浸透しており、ツールを駆使して生活を便利にすることに抵抗感がないなど価値観の新しさとともに企業はこの両世代とどのように関係性を築き、社会を盛り上げていくべきかのヒントを提示している。SDGs達成年である30年を間近に控え、ポストSDGsを見据えたビジョン策定が始まる中、これからのマーケティングを考え、対応する戦略を練るタイミングなのかも知れない。
2024/05/20