米国のディスカウントチェーン「Target」の第1四半期(2月~4月期)の決算が発表された。既存店売上が3.7%の減少となっている。既存店売上は、昨年の第2四半期(5月~7月期)が5.4%減、第3四半期(8月~10月期)も4.9%減になり、第4四半期(11月~1月期)も4.4%減とマイナス幅は減少傾向となってはいるが、4四半期連続してマイナスとなってしまった。ウォルマートの決算内容とは対照的で減収減益と厳しい業績だ。
▼売上高は前年同期から9店舗増えているが、245.31億ドル(3.1%減)となり、純利益も9.42億ドル(0.8%減)と減益となった。荒利益率は1.4ポイント増加の27.7%になったが、一般販売管理比率が1.3ポイントも増加して21.1%になり、荒利の増加分をほぼ相殺した形だ。営業利益率は01%微増の5.3%だった。Targetが4四半期連続してマイナスとなったのは16年の5月~7月期から4四半期連続して以来となる。
▼既存店3.7%減の内訳は客数が1.9%減、客単価も1.9%の減少。店舗売上は4.8%減であったが、オンラインでの売上は既存店1.4%の増加になっている。米国の高止まりするインフレ、伴う金利の上昇、クレジットカード負債の増加など様々な形で家計を圧迫している様子で、顧客はアパレルから食品までを節約しているであろう。Targetは、購入頻度が高い約5,000品目を値下げすると発表した。インフレで家計が逼迫している顧客を呼び戻すのが狙いとなる。
▼決算発表当日、Target社の株価が10%近くも落ち込んだとの報道がある。減収減益に既存店売上が4四半期連続して減少したと言っても、そこまで落ち込むほど悪い決算内容ではないと思う。Walmartの直近発表の決算と比較しての動きなのだろうか。Walmartの決算時のアナリストは「富裕層がターゲットからウォルマートに流れている」とあった。値段の安さに加えて、ネットスーパーの利便性に富裕層が味をしめ定着し始めているのかも知れない。
2025/05/24
