米国小売業の状況は日本の将来を暗示しているのであろうか。Amazon.comの攻勢を受けながらも、昨日も記したがWalmartがしっかりとトップの座を守り君臨している。また、ドイツのALDIなどロープライス店舗の伸びが際立つ。食品スーパーのKrogerが、Albertsonsの買収を計画している。連邦取引委員会が反対し、結論は出ていないが、背景にはロープライス店の攻勢に対する対抗上の施策なのか、一体となることで活路を探る。
▼米国では、インフレ下で勢いを増すロープライス店は、今後も所得が伸び悩む顧客層をとらえ続けるだろう。結果、通常の食品スーパーの生き残る余地は狭まり、淘汰や大規模な合併すら促されるのだ。この動きは日本の小売業界の将来をも暗示しているようだ。イオンはどう動くのか。今まで以上に再編を仕掛け、強化中のディスカウント事業の比重を高めていくのではないかと考えられる。各地で激化し始めているディスカウント業態との競争をどう戦って行くのであろうか。
▼かつてのGMSを再編して来たイオンも、決して「1強」とは言えない。ディスカウント業態の中で、注目されるのはトライアルホールディングスだ。東証グロース市場に上場し、300店舗以上を展開している。23年6月期の連結売上高は6531億円で、ここ10年で2倍を超える程の急成長振りだ。GMSの撤退跡への出店が多く、業界の世代交代を象徴している。
▼上場後の戦略発表会で「大きな産業の変わり目にある」と話していた。祖業はIT企業だけに、AIを駆使した店舗運営の省力化など小売りを変革する「リテールテック」に強みを持っている。長年、Walmartを研究し成長戦略の柱は「スーパーセンター」だが、最近では小型フォーマットの「TRIAL GO」がある。マルチフォーマット化によって出店余地が従来よりも拡大することになるだろう。米国流のディスカウント店を全国に浸透させようとしている。「ドン・キホーテ」のPPIHに続く、低価格店の巨大チェーンになりつつありそうだ。
2024/05/27
