イトーヨーカ堂の「FOUND GOOD」の評判が良いという・・・

イトーヨーカ堂が、肌着などの一部を除いて衣料品事業から撤退し、食料品を中心に展開していく方針を示したのが昨年3月のことだ。イトーヨーカ堂は、1920年に浅草で開業した洋品店「羊華堂」、伊藤雅俊氏の叔父にあたる吉川敏雄氏の企業だが、衣料販売業として100年以上の歴史がある。ただ、売上は04年度の3146億円から2018年度には半分以下の1535億円まで減少してしまった。祖業を守るため多くの改革に着手して来たが、上手く行かなかったのだ。

▼代表的な改革が、05年にカリスマバイヤー・藤巻幸大氏を衣料品立て直し役に迎えたことがある。伊勢丹で、「解放区」「バーニーズ・ジャパン」などのブランドを成功させたカリスマであった。ビジュアル・マーチャンダイジングなど一定の成果を上げたが、新ブランドの立ち上げでは苦戦し08年に退任している。その後もグループのそごう・西武と「SEPT PREMIERES」、専門店と組んでインテリアショップ「BON BON HOME」など、暇ない改革は続けられた。

▼業績回復を急ぐあまりに結果を性急に求めすぎて、改革の方向性がぶれたのか数年で取組みを止めている。ただ、今年2月、アダストリアと手を組んだライフスタイルブランド「FOUND GOOD」をスタートした。アダストリアは30~40代女性から高い支持があるブランドを複数持ったアパレル小売り企業。現在は、「GLOBAL WORK」「PAGEBOY」などのアパレルに、雑貨、家具、カフェなど30以上のファッションブランドを展開。24年2月期のグループ連結売上高は2755億円の企業だ。

▼イトーヨーカ堂の顧客構成から見て、30~40代のファミリー層が少ないという課題がある。この世代女性から支持されているブランドを複数持ったアダストリアのノウハウを取り込み、イトーヨーカ堂の衣料品売場を改革。集客につなげる狙いなのかもしれない。今年7月までに64店への展開を計画。完全にイトーヨーカドーの衣料品売り場の顔になる。ライフスタイルを提案する「FOUND GOOD」だが、導入して日が浅いのだが評判がすこぶる良いという。苦戦が続いているイトーヨーカ堂だが、明るい材料が見えてきたようだ。

2024/05/30